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薬指の力の強さと自閉症傾向に関係があるという研究が発表 自閉症解明に前進

2021.01.27 Wednesday

2019.02.14 Thursday

Point
・東大など複数の大学からなる研究グループが自閉症と薬指の運動機能の相関を発見
・薬指の長さは胎児の頃に浴びた男性ホルモンに影響を受けるとされている
・自閉症は「極端な男性脳」説と組み合わせた仮説の検証実験が行われた

なんで人体の中でも「薬指」なんでしょうか?

東京大学、電気通信大学、昭和大学発達医療障害研究所などの研究グループは、自閉スペクトラム症の人の指の運動において、薬指の力が強い傾向があることを明らかにしました。

自閉スペクトラム症、通称自閉症。社会的交渉やコミュニケーションなどで、「定型発達」の人と異なる特徴を持った発達障害の一種とされています。

自閉症治療においては、回復例が報告されているものの治療法はまだ見つかっていません。「育て方の問題」「親が原因」といった過去の俗説による誤った理解を、徐々に払拭しようとしているのが現状です。

自閉症と薬指の関係

過去多くの研究が自閉症と「人差し指と比較して薬指が長い」傾向に関係があることを報告してきました。この「人差し指と薬指の長さの比率」は指比とよく呼ばれています。

指比は人差し指が長いと1を超し、薬指が長いと1を切る指標で、この指標が1より小さいほどよりその人が生物的に男性寄りであると考えられてきました。さらに胎児の間に羊水中で浴びた男性ホルモンと女性ホルモンの比率に関係があるともされています。

また自閉症の人の脳は、「極端な男性脳」だとする説があります。これは文字通り、自閉症を持つ人の脳は男性の脳の特徴が色濃く、逆に女性が得意とする共感が不得手という仮説で、過去の研究で提示されているものです。そのため、上述の「指比」の考えは、「極端な男性脳」説と整合性がとれていることから注目を浴びてきました。

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