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ワキガ臭がするのは1種類の「汗を食べる細菌」のせいだと判明!効果的な制汗剤が作られる?

2021.01.27 Wednesday

2020.08.19 Wednesday

ワキガの元凶がたった1種類の細菌のせいだとわかりました。

この原因となる細菌は特殊な酵素を使って、人間の汗を食べ、その排泄物として強烈な刺激臭(チオアルコール)を生産していたのです。

原因菌と臭いの生産過程が明らかになったことで、ワキガをはじめとした体臭を効果的に防ぐデオドラント(制汗剤)の開発が進むと期待されます。

しかし、どうして今まで原因となる悪臭生産菌がみつからなかったのでしょうか?

そしてなぜ私たちは、進化の過程で悪臭を捨てられなかったのでしょう。そのナゾを深堀りしていきます。

人間の汗には悪臭物質そのものは含まれていない

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ワキガ臭の主成分であるチオアルコールは分子内に硫黄を含んでいる/Credit:wikipedia

これまで体臭の主成分は、本人の汗に含まれる物質が根本的な原因であると思われていました。

すなわち、臭いのは本人そのものが臭いから…とする説です。

しかし近年になって、悪臭の主成分であるチオアルコールが、人間の発する汗そのものには含まれていなかったことが判明しました

つまり、悪臭は人間の皮膚の内部から汗として発せられているのではなく、皮膚の外に存在する「何者か」が作り出していたのです。

犯人の候補として最初にあがったのは、皮膚の上に住んでいる菌たち…その中でも支配的な数を誇る常在菌でした。

しかし意外なことに、これら支配的な常在菌からは、チオアルコールを生産する能力がみつからなかったのです。

そのため、ワキガと体臭の原因菌探索は行き詰ってしまいます。

次ページワキガの悪臭を作っていたのは、数の少ないマイナーな菌だった

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