イヌをはじめとした多くの動物がペニスの骨を持っている
イヌをはじめとした多くの動物がペニスの骨を持っている / Credit:Manchester Metropolitan University
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「ペニスの骨」はライバルの精子をメスから”かき出す”ために発達した可能性がある

2021.01.28 Thursday

2020.10.16 Friday

ペニスの骨は不倫対策のために存在するようです。

10月14日に『Proceedings of the Royal Society B』に掲載された論文によれば、陰茎骨とよばれるペニスの骨は、ライバルとなる他のオスの精子をかき出すために存在しているとのこと。

複雑な形状の陰茎骨ほど精子を排除する能力に優れており、他のオスの精子を排除して、自分の精子を受精に導けるのです。

そのため古くは、一夫一妻制をとる種は単純な陰茎骨をもち、乱交制の動物ほど複雑な陰茎骨の形状になると考えられていました。

一夫一妻制では競争相手となるライバルの精子を気にする必要がないからです。

しかし事実は逆でした。

一夫一妻制の夫婦形態をとる種のオスほど、より陰茎骨が発達していたのです。

ペニスの形が変わるほどの進化の裏には、いったいどんなストーリーが潜んでいるのでしょうか?

sciencealert https://www.sciencealert.com/penis-bones-come-in-a-variety-of-bizarre-shapes-and-that-s-no-mistake

競争に生き残るためペニスを進化させた

ペニスの骨は体の骨と接続していない独立した骨
ペニスの骨は体の骨と接続していない独立した骨 / Credit:Manchester Metropolitan University

近年の研究により、一夫一妻制の家族形態をとる動物の遺伝分析が進んでいます。そこでは、メスが恒常的にパートナー以外のオスと交尾を行い、そのオスの子供を産んでいることがあると明らかになってきました。

メスの生殖戦略にとって、夫の庇護を受けながら、別の強いオスの子供を育てることは理想と言えるでしょう。

そのため動物の世界の社会的一夫一妻制の多くは、遺伝的には一夫一妻とは程遠いものになっています。

そんな仁義なき競争の世界で子孫を残すために、オスはより強く、より広い縄張りを維持できるようにならなければなりません。

しかし一部の動物のオスたちは、よりコストパフォーマンスに優れた方法を選びました。

それがペニスの骨です。

次ページ究極の進化をみせたペニスの骨

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