ライデンフロスト効果で、異なる種類の液滴が弾きあう現象が確認された
ライデンフロスト効果で、異なる種類の液滴が弾きあう現象が確認された / Credit:F. Pacheco-Vázquez et al.,PhysRevLett(2021)
chemistry

液滴同士がくっつかない「新しいライデンフロスト効果」を発見

2021.11.19 Friday

Amazing Video Reveals a New Kind of Leidenfrost Effect We’ve Never Seen Before https://www.sciencealert.com/we-ve-just-discovered-a-new-kind-of-leidenfrost-effect Bouncing Droplets Reveal New Leidenfrost Effect https://physics.aps.org/articles/v14/160
Triple Leidenfrost Effect: Preventing Coalescence of Drops on a Hot Plate https://journals.aps.org/prl/abstract/10.1103/PhysRevLett.127.204501

水の沸点を大きく超えたホットプレートに雫を落とすと、雫はすぐに蒸発せずにわずかに宙に浮いたまま維持されることがあります。

これをライデンフロスト効果と呼びます。

メキシコのプエブラ大学(University of Puebla)の研究チームは、この効果が発生しているときに、異なる種類の液滴がぶつかると、合体せずに連続して跳ね返ることを発見

チームはこれを「トリプルライデンフロスト効果(Triple Leidenfrost Effect)」と名付け、どういった条件でそれが起きるかについて、分析して報告を行っています。

研究の詳細は、11月12日付で、科学雑誌『PHYSICAL REVIEW LETTERS』に掲載されています。

高温の表面で液体が蒸発せずに宙に浮く「ライデンフロスト効果」

200℃に熱した鉄板に水滴を落とす実験
200℃に熱した鉄板に水滴を落とす実験 / Credit:Liquid Nitrogen and the Leidenfrost Effect(2018),The Royal Institution

家でフライパンを使ったときに、表面に滴が落ちるとじわじわとあぶくを出してすぐに蒸発してしまします。

しかし、このとき鉄板などの表面が、水の沸点よりもはるかに高い200℃以上に加熱されていたとき、落ちた水滴はすぐに蒸発せずに、雫の形を維持したまま滑るように移動します

これは鉄板が非常に熱いために、水滴の底面がすぐに蒸発し、水蒸気の膜を作って水滴を浮かせてしまうためにおきる現象です。

蒸発が早すぎて水滴がホバークラフトのような状態になっているのです。

この状態をライデンフロスト効果と呼びます。

これはすでに知られていた現象ですが、メキシコのプエブラ大学の研究チームは、このとき起きるさらに興味深い現象を発見しました。

チームはわずかに凸状の金属板を250℃まで熱し、そこに水、エタノール、メタノール、クロロホルム、ホルムアミドなど異なる種類の液滴を落としたとき、液滴同士がすぐに合体せず、弾きあうのを確認したのです。

エタノール(小さな液滴)と水(大きな液滴)が跳ね返る様子
エタノール(小さな液滴)と水(大きな液滴)が跳ね返る様子 / Credit:F.Pacheco-Vázquezetal ,Bouncing Droplets Reveal New Leidenfrost Effect(2021)

これは水(大きな液滴)とエタノール(小さな液滴)がライデンフロスト効果を起こしているときの動画です。

エタノールはわかりやすくするために青く着されています。

液体同士が触れあえば、通常はすぐに合体して混ざり合うと考えられますが、この動画では液滴はなんども跳ね返っています。

そして、エタノールが蒸発してある程度小さくなったところで、2つの液滴は混ざり合っています。

これがチームの発見した新しいライデンフロスト効果です。

この現象は、水と水とか、エタノールとエタノールのような同種の液体同士では発生せず、異なる液体同士のときに数秒から数分間跳ね返るのが確認されました

では一体、なぜこんな事が起きるのでしょうか?

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