ワイルドストロベリー
ワイルドストロベリー / Credit:Ural-66(Wikipedia)_Fragaria vesca
fungi

菌類を利用して野イチゴの天然香料が発見される

2021.11.20 Saturday

Get this: Fungus can make trash smell like strawberries https://www.popsci.com/science/fungus-fermentation-waste-aroma/
Wild Strawberry-like Flavor Produced by the Fungus Wolfiporia cocos─Identification of Character Impact Compounds by Aroma Dilution Analysis after Dynamic Headspace Extraction https://pubs.acs.org/doi/10.1021/acs.jafc.1c05770#

ワイルドストロベリー(和名:エゾヘビイチゴ)を代表とする野生のイチゴ(または野イチゴ)は、商店に並ぶイチゴとは違った魅力があります。

自然で育った野イチゴは濃厚で強い香りと独特の風味があるのです。

ドイツのユストゥス・リービッヒ大学ギーセン(Justus Liebig University Giessen)に所属する食品科学者ホルガー・ツォーン氏ら研究チームは、菌類である酵母を使用して野イチゴの香りを再現することに成功しました。

研究の詳細は、11月17日付の科学誌『Journal of Agricultural and Food Chemistry』に掲載されています。

果物の搾りかすと菌類から新しい香りを生み出す

これまでにも類を利用していくつかの香りが再現されてきました。

例えば、バラの香りをもつ化学物質「フェネチルアルコール」を作るためにも酵母が利用されています。

ツォーン氏らは、ココナッツやミントの香りを作るために、別の菌類を利用したこともあります。

また菌類ではないものの、ある種の微生物はバニラの香りを生み出す「バニリン」の生産時に利用されてきました。

果物の搾りかすと菌類で香料を作る
果物の搾りかすと菌類で香料を作る / Credit:Depositphotos

そして今回ツォーン氏らは、これまであまり利用されてこなかった菌類から新しい香りを生み出そうと考えました。

研究チームが取った方法は、「農業廃棄物を使って菌類を培養する」というもの。

果物を絞ってジュースを作ると、果肉や種、また皮などが混ざった「搾りかす」ができます。

通常、この搾りかすは廃棄されたり家畜のエサになったりします。

しかしこれらには繊維質、タンパク質、糖質が豊富に含まれており、菌類を発酵させるためにはピッタリなのです。

そこでチームはいくつかの搾りかすで数百種類の菌類を培養し、そこから得られる香りをチェックすることにしました。

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