「人類の最期」を語り継ぐために
Earth’s Black Boxは、オーストラリアの企業・Clemenger BBDO、The Glue Society、およびタスマニア大学(University of Tasmania)の研究チームが共同で進めているプロジェクトです。
具体的には、オーストラリア南方にあるタスマニア島のどこか(詳細な位置は非公開)に巨大な鋼鉄製のモノリスを建て、そこで終末世界の様子をリアルタイムで記録・保存します。
もちろん、中に人はいません。
モノリスには、ソーラーパネルで駆動する膨大な数のハードディスクが搭載され、それぞれのHDが、終末世界の直面している環境変化、科学的・政治的な最新情報を自動的に収集します。
たとえば、気候変動、生物の絶滅、環境汚染、健康への影響といった情報がすべて記録され、いつの日か、知的生命体がやって来たときに、そのアーカイブをみれば、人類がいかに滅亡したかが詳細に分かるのです。
Earth’s Black Boxのウェブサイトには、以下のように述べられています。
「私たちが生活様式を劇的に変えない限り、気候変動やその他の人為的な危機によって、人類の文明はまもなく崩壊するでしょう。
Earth’s Black Boxは、この大惨事に向けて私たちが取るすべての行動を記録します。
地球の状態に関連する何百ものデータセット、測定値、相互作用が継続的に収集され、未来の世代のために安全に保存されます」
ブラックボックスは、2022年の初頭に完成予定で、すでにボックス内のシステムは部分的に作動しており、環境データをライブレコーディングしているという。
その一方で、同プロジェクトは、人類の存続をあきらめた悲観的な計画ではないといいます。
真の目的は、また別にあるのです。