大規模な火災はどこで起こる?
大規模な火災はどこで起こる? / Credit:Depositphotos
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2021.12.19 Sunday

乾燥地帯の大規模な火災は水のある場所で起こる? (2/2)

前ページ火災は水のある場所で発生する

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「燃やして」火災をコントロールする

自然発火が大規模火災につながるのは、植物という燃料が均一に広がっているからです。

つまり極論を言うと、植物がなければ大規模火災もなくなるのです。

とはいえ、オーストラリアからすべての植物をなくすような対処法は本末転倒だと言えるでしょう。

火災の燃料になる前に燃やしておく
火災の燃料になる前に燃やしておく / Credit:Depositphotos

ここで、オーストラリア先住民の知恵が役立ちます。

彼らは何千年もの間、オーストラリアの土地を「モザイク状」に燃やしてきました

すべての植物を燃やしてなくすのではなく、各地で「小規模な火事」を少しずつ発生させていくのです。

当然、燃やされた土地では、新しい植物が最初から育つことになります。

その結果、植物の種類や年齢が土地によって細かく分かれ、オーストラリアの広大な土地の植生が「モザイク状」になりました。

すべての植物がなくなるわけではないので、環境や生態系はある程度保たれます。

またどこかで火災が発生しても、モザイクの薄い部分で火の勢いが弱まるため対処しやすいのです。

実際、1953年の航空写真には、伝統的な土地管理のおかげで火災がモザイク状になって抑えられている様子が写されました。

1953年の航空写真。伝統的な管理により、火災がモザイク状に広がっている
1953年の航空写真。伝統的な管理により、火災がモザイク状に広がっている / Credit:Rohan Fisher_We are professional fire watchers, and we’re astounded by the scale of fires in remote Australia right now(2021)

しかし現代ではこれらの伝統や習慣が衰退しています。

そのため現在の火災規模は、オーストラリア先住民が管理していた時の何倍も大きなものとなっているのです。

フィッシャー氏によると、「広大な乾燥地帯では、以前のような管理が必要」とのこと。

もちろん、植生のモザイクを復活させるには、「正しい技術」や「管理者」を集めたり、「法律の問題」を解決したりしなければいけません。

現在、フィッシャー氏は既にこの課題に取り組んでおり、「燃やして」火災を制御する正しい方法を学んでいます。

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