新型コロナウイルスを可視化するマスク
新型コロナウイルスを可視化するマスク / Credit:塚本 康浩(京都府立大学)_ダチョウ抗体を担持させた不織布マスクを用いて口鼻からの新型コロナウイルスの可視化に成功(2021)
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新型コロナウイルスが付着すると発光するマスクを開発(京都府立大) (2/2)

2021.12.10 Friday

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ダチョウの卵から抽出された抗体をマスクと組み合わせる

可視化マスクの開発には、ダチョウの抗体が利用されています。

ダチョウは地球上最大の鳥類であり、病気で死ぬことがほとんどありません。

そのため研究チームは、驚異的な免疫力と回復力を持っているダチョウからウイルス抗体を抽出することにしたのです。

ダチョウから抗体を抽出
ダチョウから抗体を抽出 / Credit:株式会社ジールバイオテック

まずダチョウに無害化した新型コロナウイルスを注射。

これによりダチョウは体内で抗体を生成します。

そして、そのダチョウが産んだ無精卵の卵黄から高純度の抗体を回収。

回収された抗体は蛍光色素と一緒に、特殊な技術で繊維素材と組み合わせることができました。

その結果、ウイルスを色で識別するフィルターが完成したのです。

可視化マスクで感染の早期自覚が可能に
可視化マスクで感染の早期自覚が可能に / Credit:Depositphotos

ちなみに、利用する蛍光色素を変更すれば、一度にコロナやインフルエンザ、またマイコプラズマなどの病原体を色の違いで判別することも可能なのだとか。

現在、可視化マスクは実用化に向けて検証が進められています。

将来的には塚本氏が取締役会長を務める「株式会社ジールバイオテック」を中心に、国内外で販売される予定です。

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