Upside Foods社で作られた人工培養チキンのソテー
Upside Foods社で作られた人工培養チキンのソテー / Credit:Upside Foods(YouTube)_Richard Branson Tries UPSIDE Chicken(2021)
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世界最先端の「人工培養肉プラント」が2022年1月から営業開始予定

2021.12.19 Sunday

肉の消費量はここ数十年で急速に増加しており、現在の生産量は過去最高です。

実際、食肉生産量は過去40年間で3倍になり、わずか10年で20%も増加しています。

そのため代替品としての人工培養肉の研究が世界各地で進められてきました。

そして現在、アメリカ・カリフォルニア州を拠点とする培養肉企業「Upside Foods」が、世界最先端の人工培養肉プラントを建設中です。

2022年1月には営業を開始する予定とのこと。

California’s New Lab-Grown Meat Facility Is the Most Advanced in the World https://interestingengineering.com/californias-new-lab-grown-meat-facility-is-the-most-advanced-in-the-world?utm_source=rss&utm_medium=article&utm_content=15122021

カリフォルニアの人工培養肉施設がもうすぐオープン!

Upside Foods社の人工培養肉施設
Upside Foods社の人工培養肉施設 / Credit:Upside Foods(YouTube)_UPSIDE Foods Grand Opening(2021)

現在、世界中の企業が培養肉の開発に取り組んでいます。

アップサイドフーズ(Upside Foods)社もそれらの1つであり、来年の営業に向けて大規模な建設が進められてきました。

彼らが建設しているのは、「EPIC:Engineering, Production, and Innovation Center」と呼ばれる人工培養肉の生産施設です。

施設の大きさは1万6000m2にもなるとのこと。

アップサイド・フーズ社は「今のところ世界最先端の人工培養肉施設」だと主張しています。

さらにEPICには商業用の培養肉を年間180トンも生産する能力があると言われています。

人工培養肉を大量に生産できる
人工培養肉を大量に生産できる / Credit:Upside Foods(YouTube)_UPSIDE Foods Grand Opening(2021)

では、アップサイド・フーズ社の培養肉はどのように作られるのでしょうか?

最初に、生きた動物や卵などから人工肉の元となる細胞のサンプルを入手

その後サンプルは施設の容器に入れられ、アミノ酸や糖類などのさまざまな栄養素が与えられます。

そして動物が成長するのと同じようなプロセスで培養肉が形成されていくのです。

2~3週間ほどで人工肉が完成するので、あとは検品・梱包作業を経て、私たちの元に届けられます。

培養肉の生産はCO2削減にも役立つ
培養肉の生産はCO2削減にも役立つ / Credit:Upside Foods(YouTube)_UPSIDE Foods Grand Opening(2021)

アップサイド・フーズは培養肉のメリットを次のように語っています。

培養肉の生産は、従来の肉生産と比べて、必要な土地や水を最大で90%削減できます

さらにCO2排出量も90%削減できるかもしれません」

同社はまだアメリカ食品医薬品局(FDA)の認可を得ていないようですが、2022年1月には営業を開始する予定です。

施設のオープン後は、製品テストや見学のために施設内に入ることもできるのだとか。

新しい培養肉施設は培養肉をもっと身近なものにしてくれるでしょう。

もしかしたら、近くのスーパーに人工培養肉が並ぶ日も遠くないかもしれません。

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