津波の高さを磁場で素早く予測できる
津波の高さを磁場で素早く予測できる / Credit:Depositphotos
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津波が作った磁場から波高がわかる -海底で観測された磁場と津波波高の直接比較- https://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research-news/2021-12-23-0 Tsunamis’ Magnetic Fields Can Be Detected Before Sea Levels Change https://www.sciencealert.com/tsunamis-magnetic-fields-could-give-us-crucial-early-warnings-before-sea-level-rises
Direct Comparison of the Tsunami-Generated Magnetic Field With Sea Level Change for the 2009 Samoa and 2010 Chile Tsunamis https://agupubs.onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1029/2021JB022760

2021.12.24 Friday

津波の発生を磁場の変動から正確に検出する新技術が登場

津波の多くは地震による海底の地殻変動で発生します。

そのため地震大国である日本に住む私たちは、津波警報に従うことの重要性をよく認識しているでしょう。

津波予測がより正確で素早ければ、それだけで多くの人の命が助かるとも言えます。

そして最近、京都大学理学研究科に所属する藤 浩明(トウ ヒロアキ)氏ら研究チームは、津波が作った磁場を観測して、波の高さ(波高)を高精度で予測できると発表しました。

研究の詳細は11月9日付の国際学術誌『Journal of Geophysical Research: Solid Earth』に掲載されました。

より正確な津波予測は可能か?

シミュレーション結果を保存・蓄積したデータベースから検索
シミュレーション結果を保存・蓄積したデータベースから検索 / Credit:気象庁_津波を予測するしくみ

地震発生時は、素早く津波予報が報道されますが、あれは「どうやって予報出しているのだろう?」と疑問に思ったことはないでしょうか?

日本気象庁によると、現在の津波予測には津波予報データベースが利用されています。

あらかじめシミュレーションした結果をデータベースに保存・蓄積しておき、地震が発生したのちに、地震の位置や規模をもとにデータベースから予測結果を検索するのです。

その際、津波の高さも計算され、私たちに津波警報として伝えられます。

つまり実際に発生した津波を、検出・測定しているというわけではないのです。

もちろん、実際に発生した津波波高を直接観測するなら、より正確な警報を伝えられるでしょう。

しかしそれでは避難する時間がありません。

では津波波高を直接観測する以外の方法で、従来のシミュレーション予測よりも正確に津波の高さを知ることはできないのでしょうか?

これまでの研究によって、その可能性が見出されてきました。

2004年に発生したインド洋大津波をきっかけに「津波は自然電磁場を伴うのではないか」という理論的予測が提出されたのです。

そして2011年、藤氏ら研究チームは、世界で初めて「津波が観測可能な磁場を伴う」ことを海底観測により実証しました。

津波によって発生する磁場を観測するなら、津波の高さなどの情報を取得できるかもしれません。

しかし当時は磁場と津波波高の同時データが得られず、実際に磁場を津波予測に役立てられるか不明だったようです。

今回の新しい研究では、観測された磁場と津波波高を直接比較することに成功しました。

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