「VR警官」が人間より多くの目撃証言を引き出すことがわかる

technology 2018/05/17

Point
・元警察官の大学教授が「ヴァーチャル警官システム」をデザイン
・実験の結果「ヴァーチャル警官」は、人間の警官よりも多くの目撃情報を引き出した
・このシステムには、リモートで実施できるなど他にも様々なメリットがある

 

警察にとって、目撃証言は大きな証拠。それゆえ、そのプロセスは非常に重要です。大きな事件が起これば、多くの人の目撃証言を求めることでしょう。

しかし、警察に対して何かを証言するとき、たいていの人は緊張や威圧感からストレスを感じます。これまでの研究では、「警官の態度」や「うまく喋らなきゃというプレッシャー」が、証言の正確性を減少させることがわかっています。

そこでデビューしたのが、そんなことを一気に解決してしまう「ヴァーチャル警官」。実験により、「人間の警官」より「ヴァーチャル警官」の方がより多くの正確な情報が引き出せることがわかったのです。

Eyewitness Memory in Face-to-Face and Immersive Avatar-to-Avatar Contexts
https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fpsyg.2018.00507/full

ウェストミンスター大学のコーラル・ダンドー教授は元警察官。彼がその12年間のキャリアを活かして、興味深い証言システムをデザインしました。それは、シンプルに「取り調べは人が行う必要がない」といった考えに基づくもの。つまり、アバターによる「ヴァーチャル警官」が取り調べを行うのです。

実験では、38人の若者が被験者となりました。彼らはまず、「新しいヘッドセットのテスト」と聞かされ、ニセの車強盗の映像を鑑賞。そしてその48時間後、「実際の警官」と「ヴァーチャル警官」に対して証言を提供しました。取り調べは、まず「思い出せること」を話し、その後それぞれの「警官による質問に答える」といった方式で実施されました。

「思い出せること」を話しているとき、両シチュエーションにおいて証言の情報量に差は出ませんでした。違いが表れたのは「警官の質問に答える」フェーズ。なんと、ここにおいて「ヴァーチャル警官」は、人間の警官より60%も多く正しい情報を引き出したのです。

ダンドー教授は、「テクノロジー進歩の可能性は測り知れません。このヴァーチャル空間は、多くの正確な情報を引き出すだけでなく、これまでより手早く、リモートで行うことも可能です」と語り、いかにこの新しい技術が革新的であるかを強調しています。

 

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via: dailymail / translated & text by なかしー

 

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