宇宙最初期の星を発見、133億年前に「酸素」が存在か

space 2018/05/18
Credit: VisualHunt.com
Point
・ALMAで現在最も遠いと考えられている銀河MACS1149-JD1を観測
・5億年後には酸素が存在していたことを確認
・モデルとの検証から最初の星がビックバンのわずか2億5千年後にできたことが示される

 

ビックバン後2億5千万年後というかなり初期の段階に、星が形成された証拠が発見されました。しかもそこには酸素が存在することがわかり、これは最も遠くで検出された酸素の記録を更新しています。論文は16日付で、科学誌“Nature”に掲載されました。

The onset of star formation 250 million years after the Big Bang
https://www.nature.com/articles/s41586-018-0117-z

大阪産業大学の橋本拓也博士に率いられた国際チームは、チリのアタカマ大型ミリ波サブミリ波干渉計(ALMA)をつかって、宇宙にある天体で知られてる中では最も遠くにある、MACS1149-JD1と呼ばれる銀河を観測。その結果、銀河のスペクトルにわずかな酸素の痕跡を発見しました

さらに光の波長とドップラー効果から、この銀河が132.8億光年の距離にあることを確かめました。この結果はヨーロッパ南天天文台の望遠鏡をつかった、銀河を構成する中性水素放射の検出によって独立に確認されています。

なぜ酸素の発見が重要かというと、初期の宇宙には酸素は存在しないとされているからです。酸素は星が形成されたあとに核融合で作られ、星が死ぬ時に撒き散らされます。この酸素がまた、他の星の放射によってイオン化することで赤外線が明るく輝きます。MACS1149-JD1でこの赤外線が観測されたことは、この銀河で一度星が生まれて死んだ過程があったことを意味するのです。その距離から、この銀河が宇宙が生まれて5億年後のものであることが示され、多くの成熟した沢山の星を持っていたことを示しています。

Credit: VisualHunt

チームはまた、2つの宇宙望遠鏡、ハッブル宇宙望遠鏡とスピッツァー宇宙望遠鏡の赤外線データを使用。そしてその明るさから、2億5千年前に最初の星が形成されたことを発見しました。

このモデルによると、最初の星の爆発でガスが銀河から撒き散らされ、星の形成を阻害。その後ガスが戻ってきて星を形成し2度めの爆発が起こります。そしてそれが、ALMAの観測した、ビッグバンから5億年後の赤外線ということになります。

「わたしたちは皆、星が生み出した物質でできているわけですから、この探求はまさに私たちの起源を探すことなのです」と、共著者であるロンドン大学の天文物理学者リチャード・エリス氏は述べています。

ただ橋本氏は、今回の観測データでは直接生命そのものを示す証拠にはならないと説明。しかし、「宇宙の最初期に、私たちに必須の酸素が存在していたことに驚きを隠せない」と話しています。

 

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via:Science Alert/ translated & text by SENPAI

 

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