真菌の遺伝子を改変して粉末卵白の代替品を生み出せる
真菌の遺伝子を改変して粉末卵白の代替品を生み出せる / Credit:Depositphotos
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卵不要 「遺伝子編集した真菌」を利用してメレンゲを作ることに成功

2022.01.23 Sunday

Biotechnology could provide an environmentally more sustainable alternative to egg white protein production https://www.helsinki.fi/en/news/life-sciences/biotechnology-could-provide-environmentally-more-sustainable-alternative-egg-white-protein-production Out of cluck: Scientists create egg whites using fungus in the lab as an ‘environmentally sustainable’ alternative to farming chickens https://www.dailymail.co.uk/sciencetech/article-10379489/Scientists-create-vegan-egg-whites-using-fungus.html
Ovalbumin production using Trichoderma reesei culture and low-carbon energy could mitigate the environmental impacts of chicken-egg-derived ovalbumin https://www.nature.com/articles/s43016-021-00418-2

卵白はクセがなくタンパク質を多く含むため、食品業界になくてはならない食材です。

実際、2020年の卵タンパク質の年間消費量は約160万トンでした。

特に卵白を乾燥させて粉末化した「乾燥卵白(メレンゲパウダー)」は、ケーキやお菓子をつくるのに重宝されています。

高まる卵白の需要に対処するため、フィンランド・ヘルシンキ大学(University of Helsinki)農林学部に所属するナターシャ・ヤルビオ氏ら研究チームは、真菌から乾燥卵白の代替品を作り出しました。

ニワトリを飼育する必要がないため、環境にやさしく、土地を大幅に節約できます。

研究の詳細は、12月16日付の学術誌『Nature Food』に掲載されました。

真菌を遺伝子改変して粉末卵白を生み出す

新しい卵白代替品を生み出すため、研究チームが最初に取り掛かったのは卵白の分析です。

卵白タンパク質の50%以上を占める主要タンパク質「オボアルブミン(略称:OVA)」の遺伝子コードを解析・特定することにしたのです。

真菌Trichoderma reesei
真菌Trichoderma reesei / Credit:US Department of Energy Office of Science(Wikipedia)_Trichoderma reesei

次にオボアルブミンの設計図をもつ遺伝子を、糸状の真Trichoderma reesei」に挿入。遺伝子改変させました。

これにより、真菌がオボアルブミンを分泌できるようにしたのです。

ちなみに、Trichoderma reeseiから分泌されたオボアルブミンは両方の名称を合わせて「Tr-OVA」と呼ばれています。

その後Tr-OVAは、濃縮・乾燥させることで、粉末状の製品となりました。

では、真菌から作られた乾燥卵白Tr-OVAは、従来の乾燥卵白と比べて、どのようなメリットがあるのでしょうか?

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