太陽系を取り巻く1,000光年の広い局所泡
太陽系を取り巻く1,000光年の広い局所泡 / Credit:Leah Hustak (STScI)/CfA,1,000-Light-Year Wide Bubble Surrounding Earth is Source of All Nearby, Young Stars(2022)
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太陽系は周囲1000光年にほとんど「何もない泡」の中心にいる (2/2)

2022.01.15 Saturday

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星形成の見える特等席

星間物質が押し出され空洞となった局所泡の表面では、星間物質が集中するため星形成領域ができると考えられています。

そして実際、現在太陽系の周囲には7つの星形成領域や分子雲(星が形成されうる高密度領域)が見つかっていて、これらはすべて局所泡の表面に位置しています

これは死んだ星が新しい星を生み出すために役立っており、天の川銀河の構造や進化を理解するために役立つ手がかりであり、現在私たちは銀河の星形成を最前列で見ることができるのです。

これこそ天文学者たちの喜ぶ理由です。

局所泡と表面の星形成領域を示した3Dアニメーション
局所泡と表面の星形成領域を示した3Dアニメーション / Credit:Center for Astrophysics,A Bubbly Origin for Stars Around the Sun

局所泡は停止した状態ではなく、現在も秒速6.5キロメートルほどの速度で広がり続けています

これはガイア望遠鏡の観測から明らかとなっている事実です。

ただ、その勢いはほどんど失われており、惰性で広がっているだけの状態のようです。

研究者はこうした泡が、銀河系の至るところに存在していて、銀河はチーズのような状態になっていると予想しています。

そうでなければ地球が運良く泡の中に飛び込むことはなかったでしょう。

こうした泡の形成と星形成のメカニズムは、銀河の進化に重要な影響を与えている可能性があります。

天文学者でありデータ可視化の専門家でもあるCfAのキャサリン・ザッカー氏は、今回の研究を次のように語ります。

「これはまさに原点であり、近傍の星形成がどのように始まったかを初めて説明することができます」

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