宇宙では視力が低下する
宇宙では視力が低下する / Credit:Depositphotos
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Living in outer space: Changes in blood flow volume may be at the heart of worsening eyesight https://web.musc.edu/about/news-center/2022/01/06/living-in-outer-space-changes-in-blood-flow-volume-may-be-at-the-heart-of-worsening-eyesight Now we Know why Spaceflight Affects Your Eyes https://www.universetoday.com/153959/now-we-know-why-spaceflight-affects-your-eyes/
Comparison of Dural Venous Sinus Volumes Before and After Flight in Astronauts With and Without Spaceflight-Associated Neuro-Ocular Syndrome https://jamanetwork.com/journals/jamanetworkopen/fullarticle/2785533?resultClick=1

2022.02.27 Sunday

宇宙生活が与える目への悪影響

私たち人間は、重力のある地球上で健康を保てるようになっています。

そのため無重力や微小重力の環境で長期間生活すると、さまざまな健康リスクを抱えることになります

実際、国際宇宙ステーション(ISS)で生活する宇宙飛行士の70%は、「視界がぼやけて視力が低下する」と言われています。

しかもこの症状は、地球に戻っても続く場合があるのです。

そして最近、アメリカ・サウスカロライナ医科大学(MUSC)神経学部に所属するマーク・ローゼンバーグ氏ら研究チームは、宇宙飛行士の視力の低下が、脳につながる静脈の膨張と関連していたと報告。

研究の詳細は2021年10月27日付の科学誌『JAMA Network Open』に掲載されました。

宇宙で視力が低下する原因とは?

宇宙飛行士たちは、宇宙空間でさまざまな健康問題と戦うことになります。

筋力と骨密度の低下は、その代表的な例です。

地球のように重力に逆らって生活する必要がないため、宇宙生活が長ければ長いほど、その機能が衰えてしまうのです。

また宇宙放射線の被ばくにより、がんになるリスクが高まるとも言われています。

そのためISSの医療チームは、そこで生活する宇宙飛行士を被験者として、将来のリスクを軽減するためにさまざまなデータを収集してきました。

70%の宇宙飛行士が視力低下を経験する
70%の宇宙飛行士が視力低下を経験する / Credit:Depositphotos

そして視力の低下も、宇宙空間が与える悪影響の1つです。

宇宙空間が目に及ぼす悪影響は、SANS(spaceflight-associated neuro-ocular syndrome)と呼ばれています。

現在、SANSは宇宙飛行士にとって常識であり、視力の低下に備えて宇宙に眼鏡をもっていくこともあるのだとか。

では、SANSの原因はどこにあるのでしょうか?

ローゼンバーグ氏らの研究により、新しい発見がありました。

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