ヒマラヤ山脈にある現在世界最高峰の山「エベレスト」。海抜8848メートル。
ヒマラヤ山脈にある現在世界最高峰の山「エベレスト」。海抜8848メートル。 / Credit:jp.depositphotos
geoscience
Supermountains controlled the evolution of life on Earth https://www.anu.edu.au/news/all-news/supermountains-controlled-the-evolution-of-life-on-earth
The temporal distribution of Earth’s supermountains and their potential link to the rise of atmospheric oxygen and biological evolution https://doi.org/10.1016/j.epsl.2022.117391

2022.02.07 Monday

ヒマラヤの3倍もあった「古代スーパーマウンテン」が生命進化を促していた

現代の地球でもっとも標高の高い山岳地域はヒマラヤ山脈で、8000メートル級のピークを持つ山が約2400kmに渡って続いています。

しかし、古代の超大陸には大陸全体にわたって約8000kmも連なるスーパーマウンテンが形成されていたと言われています。

オーストラリア国立大学(ANU)の研究チームは、地質学的な調査から地球の歴史上スーパーマウンテンが形成されたのは2回だけであり、これが生命進化上で重要だった2つの時期と関連していると報告しています。

この2つは真核生物の登場と、生物の多様性が進んだカンブリア紀と一致し、また地球の酸素濃度上昇にも関連していた可能性があるようです。

研究の詳細は、1月28日に科学雑誌『Earth and Planetary Science Letters』で公開されています。

 

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超大陸に形成された「スーパーマウンテン」

現在地球上で最大の山脈は、最高峰エベレストを含むヒマラヤ山脈で、これは2400kmにわたり続く巨大な山岳地域です。

しかし、何億年も前の古代には、ヒマラヤ山脈が3~4回繰り返されるほど長大で巨大な山脈が大陸を縦断していました

こうした標高も連なる距離も桁違いな山は、「スーパーマウンテン(supermountains)」と呼ばれています。

ヒマラヤ山脈のような巨大な山は、大陸間プレート同士の衝突によって形成されます。

そのためスーパーマウンテンは、すべての大陸が1つにまとまってできた超大陸に形成されていたと考えられています。

オーストラリア国立大学の研究チームは、スーパーマウンテンの強い圧力で山の根に当たる部分に形成された希土類鉱物の痕跡を追うことで、大陸プレート間の衝突から生まれたスーパーマウンテンの歴史を調査しました。

その結果、スーパーマウンテンは地球の歴史上で2回しか形成されていなかったことがわかったのです。

その内、1回目は約20億~18億年前で超大陸ヌーナ(あるいはコロンビア大陸、Nuna)に形成され、2回目は約6億5000万~5億年前に超大陸ゴンドワナで形成されていました。

超大陸ヌーナ
超大陸ヌーナ / Credit:jlifeus.com (アメリカ生活・e-百科) ,Wikipedia

そして研究者たちは、この2つの時期が、生物進化における重要な2つの時期と一致しているというのです。

最初のヌーナ大陸は、後に植物や動物の元となった真核生物(細胞核を持つ生物)の出現時期であり、2つ目は最初の生物の大型化や、動物のグループがほぼ出揃った時期であるカンブリア紀(カンブリア爆発と呼ばれる時期)と一致していました。

動物グループが出揃ったカンブリア爆発のイメージ。
動物グループが出揃ったカンブリア爆発のイメージ。 / Credit:depositphotos

しかし、なぜ巨大な山の形成が生命の進化と関連づくことになるのでしょうか?

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