無人ブラックホーク
無人ブラックホーク / Credit:Lockheed Martin
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軍用ヘリ「ブラックホーク」が完全無人の自律飛行に成功!

2022.02.11 Friday

ドローン技術の進展を見ると明らかなように、近年、世界中で無人航空機の開発が行われています。

これまで良く耳にしたのは小型のドローンの無人機でした。しかし現在は大型の航空機に自律性を付与することにも力がそそがれているのです。

そして2022年2月5日、アメリカの航空機開発会社「ロッキード・マーティン」は、軍用ヘリ「ブラックホーク」を無人飛行させることに成功しました。

自律飛行システムを備えたブラックホークが、30分の試験飛行の間で、離陸・飛行・着陸のすべてを人間の力を借りずに完遂したのです。

Safe, Reliable, and Uninhabited: First Autonomous BLACK HAWK® Helicopter Flight https://www.lockheedmartin.com/en-us/news/features/2022/safe-reliable-and-uninhabited-first-autonomous-black-hawk-flight.html Fully autonomous Black Hawk helicopter takes to the skies without a pilot for the first time: Could now be used in warzones https://www.dailymail.co.uk/sciencetech/article-10499341/Autonomous-Black-Hawk-helicopter-taken-skies-without-pilot-board-time.html

ブラックホークの完全無人化に成功

パイロットが搭乗していない
パイロットが搭乗していない / Credit:Lockheed Martin

軍用ヘリ「ブラックホーク」の無人飛行試験には、国防高等研究計画局(DARPA)が協力しています。

DARPAが開発した自律飛行システム「ALIAS(AIrcrew Labor In-Cockpit Automation System)」が搭載されているのです。

ALIASがブラックホークに搭載されたのは、今回が初めてではありません。

これまでにもパイロットが搭乗している状態で、数々のテストが行われてきました

しかし、「パイロットのバックアップがある状態」では、ALIASの自律性を完全に証明するものとはなりません

無人ブラックホークの着陸
無人ブラックホークの着陸 / Credit:Lockheed Martin(YouTube)_First Uninhabited Black Hawk Flight(2022)

そこで今回初めて、完全無人のブラックホークを使って、離陸から着陸までの一連の自律飛行を試すことに

そして2月5日から始まった飛行テストの結果、30分の完全無人飛行を成し遂げました。

また、この飛行試験では、都市部の飛行を想定して、さまざまな建物(シミュレーション上)を避けて飛ぶよう指示されました。

それでも無人ブラックホークは、リアルタイムで正確なルートを導き出し、ミッションをクリアしたのです。

この試験によりALIASは、従来の自律飛行システムのような「パイロットのサポート」だけにとどまらず、「パイロットの代わり」になることを証明しました

では軍用ヘリの無人化は、今後どのように利用されていくのでしょうか?

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