鏡は何色?
鏡は何色? / Credit:Depositphotos
physics

実は緑色!? 合わせ鏡から見えてくる「鏡」の持つ真の色とは (3/3)

2022.03.08 Tuesday

前ページ光をすべて反射する鏡が白くない理由

<

1

2

3

>

鏡は緑色だった!?

現代のは、ガラス板の裏に銀やアルミニウムの薄膜を張り付けて作られています。

そしてこのガラス板には透明度が高い石英ガラス」が利用されており、他のよりも緑色のの反射率が若干高いようです。

つまり、通常では確認できないほど「わずかに緑がかっている」ということです。

この緑色を確認したい場合は、合わせ鏡が役立ちます。

合わせ鏡の奥は、暗く、緑になる
合わせ鏡の奥は、暗く、緑になる / Credit:(左)Depositphotos, (右)zmescience_What color is a mirror? It’s not a trick question(2022)

2枚の鏡を向かい合わせにすることで、「像が無限に続くかのように」映し出される現象ですね。

しかし実は、像は無限に続きません。

なぜなら鏡自体の反射率が100%ではないからです。これは光が鏡の素材に徐々に吸収されていく、ということです。

そのため合わせ鏡にすると、2枚の鏡を行き来する光が徐々に失われ、奥に映った像ほど暗く(黒く)なるのです。

このとき他より少し反射率の高い緑色が強調されると考えられます。

実際、2003年の研究では、この「合わせ鏡」によって、鏡に映った映像が暗く、緑色になったと報告されています。

そのため「鏡は緑色」だという人もいるようです。

さて、ここまでで鏡の色について考えてきました。

「光をすべて反射する」という部分を考えると、「白色」かもしれません。

しかし、一般的な白色の物体に見られる「乱反射」ではないことを考えると、「無色」と呼ぶのが妥当かもしれません。

そして「鏡」という1つの製品を考えると、素材に含まれるわずかな色合いから、「緑色」とも言えるでしょう。

いずれにしても、鏡は銀色ではないようです。

<

1

2

3

>

人気記事ランキング

  • TODAY
  • WEEK
  • MONTH

Amazonお買い得品ランキング

物理学のニュースphysics news

もっと見る

役立つ科学情報

注目の科学ニュースpick up !!