ONC-Tによって距離約20kmから撮影されたリュウグウ。2018年6月30日23:13(日本時間)頃の撮影。
ONC-Tによって距離約20kmから撮影されたリュウグウ。2018年6月30日23:13(日本時間)頃の撮影。 / Credit:JAXA, 東京大, 高知大, 立教大, 名古屋大, 千葉工大, 明治大, 会津大, 産総研
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小惑星リュウグウがかつて彗星であった可能性を理論的に指摘〜小惑星探査機「はやぶさ2」が採取した小惑星物質の起源解明へ〜 http://www.okayama-u.ac.jp/tp/release/release_id940.html
The Asteroid 162173 Ryugu: a Cometary Origin https://iopscience.iop.org/article/10.3847/2041-8213/ac4bd5

2022.03.23 Wednesday

「小惑星リュウグウ」はもともと”彗星”だった!? 理論的モデル化に初めて成功!

日本の探査機はやぶさ2がサンプルを持ち帰ったことで有名な小惑星「リュウグウ」。

このリュウグウは構造がスカスカだったり、赤道部分が膨らんているなど珍しい特徴があり、その形成過程についてはさまざまな議論が存在します

名古屋市立大学、岡山大学の共同研究チームは、リュウグウが元々彗星で、それが小惑星になったという「彗星起源説」を世界で初めて理論的にモデル化することに成功

彗星が短期間で小惑星に至る過程を解説しています。

しかし、この話については、そもそも小惑星と彗星の違いが何なのかから説明してもらわないと意味がよくわからないという人も多いでしょう。

今回はこの両者の違いを交えて、リュウグウのたどった歴史について見ていきましょう。

研究の詳細は、2022年1月31日に科学雑誌『The Astrophysical Journal Letters』に掲載されています。

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謎多き小惑星リュウグウの起源

JAXAの探査機、「はやぶさ2」の探査活動では、リュウグウの構造がスカスカの軽石のような多孔質であることが明らかになっています。

また、リュウグウは赤道にあたる中央部分が膨らんだダイヤ型の形状をしており、これはかつてこの天体の自転速度が速かったためだと推測されています。

こうした事実から、リュウグウがなぜスカスカの構造なのか? ダイヤ型の形状を作った速い自転速度はどうやってもたらされたのかなど、リュウグウの形成過程について多くの謎が生まれたのです。

これについて、JAXAをはじめとした研究グループは、もともと塵(ダスト)の集まった低密度のスカスカな微惑星に別の天体がぶつかって砕けた後、高密度のコアに再びその塵が集まって現在のリュウグウを形成したという説を発表しています。

衝突の衝撃が速い自転速度を生み、そのため塵はダイヤ型に集積していき、現在のスカスカで中央が膨らんだ小惑星になったというのです。

これまでに提唱されたリュウグウ形成シナリオ
これまでに提唱されたリュウグウ形成シナリオ / Credit:Okada et al., Nature 2020

ただ、塵が再集積して小惑星を形成する詳しいメカニズムはよくわかっておらず、低密度のスカスカな小惑星がどの程度一般的なのかもまだよくわかりません。

また、はやぶさ2が持ち帰ったサンプル分析からは、他天体との衝突の可能性が低いと考えられています

小惑星リュウグウはスポンジみたいにスカスカだった。はやぶさ2が新たに発見

そのため新たな説として提案されているのが、小惑星リュウグウがもともと彗星だったのでは? という考え方です。

今回の研究はこの「彗星起源説」が実現可能かどうかを検証し、彗星が小惑星へと変化する過程を理論的にモデル化しています。

しかしまず、ほとんどの人は「小惑星と彗星って何が違うの?」と思っているかもしれません。

なので、この2つの違いについてまずは解説していきましょう。

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