マウス脳の「海馬を不活性化」すると同等性を感じなくなった
脳は二次元的な情報をどうやって三次元の物体に結び付けているのか?
謎を探るべく研究チームは、マウスの頭蓋骨に穴を開け、記憶をつかさどる海馬の「CA1ニューロン」に対して、脳細胞を不活性化させる薬「ムシモール」を投与しました。
(※ムシモールは、ベニテングダケなどにも含まれる毒素であり、人間の味覚にはうま味として感じられます)
すると先ほどと同じ実験をしても、マウスは画像と物体の同等性を認識できなくなったのです。
この結果は、マウスが画像と物体に同等性を感じる仕組みは、私たちヒトと非常に似ており、記憶にある画像情報を高度な処理によって、物体に当てはめていることを示します。
つまり、私たちが画像と物体を結びつけるのと同じような仕組みで、マウスも両者の結びつけを行っていたのです。
研究者たちは、同様の仕組みが哺乳類全体に存在する可能性があると考えており、マウスを用いることでヒトの視覚と認識の仕組みを解明できると述べています。