逆行して周回する謎の小惑星、実は太陽系外から来ていた

science_technology 2018/05/22

Point
・木星軌道の近くを逆行して周回する小惑星が、45億年前から太陽系にあることをコンピューターモデルで発見
・その起源が太陽系外にあることを示唆
・太陽系や生命の誕生が、太陽系外から影響を受けていた可能性

 

空気読まずに逆行していた惑星は、なんと異邦「惑星」だったみたいです。

太陽系に、星間空間から紛れ込んで、すっかりその一員となっている天体があることがわかりました。地球に太陽系内の彗星や小惑星が衝突して有機物や水がもたらされることで、生命が誕生したと考えられていますが、この新しい発見は、太陽系外からもたらされた天体もその役割の一翼を担った可能性があることを示しています。太陽系は他の星系から孤立して育ったわけではなさそうです。

An interstellar origin for Jupiter’s retrograde co-orbital asteroid
https://academic.oup.com/mnrasl/article/477/1/L117/4996014

今回の研究で初めて、太陽系外からの小惑星が、実は太陽系の一員となっていることが示されました。以前話題になった「オウムアムア」は一時的な来訪者でしかないので、それよりも注目度が高くなる可能性もあります。

Credit: Royal Astronomical Society / 他の銀河系から来たと思われる小惑星2015 BZ509

今回系外からの小惑星と分かった2015BZ509は、2014年にハワイの天文台による観測で発見されました。この小惑星は、最初から普通ではありませんでした。なんと他の惑星と軌道を逆行していたのです。

さらなる研究では、この軌道の太陽からの距離と周期が木星と似通っていることがわかりました。このことは、この2つの惑星が重力的に相互作用していることを示しています。木星、土星、天王星や海王星の間に軌道を取る小惑星は「ケンタウロス」と呼ばれています。ケンタウロスの中にはBZ509のように逆行軌道をとるものもありますが、どのようにその軌道をとるようになったかは不明でした。

“Monthly Notices of the Royal Astronomical Society”で発表された論文で、筆頭著者ファティ・ナモウニ博士とヘレナ・モライス博士は、100万もの可能性のある軌道を計算してその進化の様を追跡できるコンピューターモデルをどの様に作ったかを記しています。そのシミュレーションから、この小惑星の軌道が45億年もの間、木星とリンクしその類似性を持ち続けているという可能性が最も高いことがわかりました。この結果は驚くべきもので、以前の予想では、小惑星と木星が結びついたのはせいぜい1万年前だろうと思われていたのです。

この発見は、この小惑星の起源が太陽系外にあることを示す重要な証拠となりました。45億年前の太陽系のすべての天体、惑星、小惑星、彗星は同じ方向に動いており、45億年前から逆行しているこの天体が太陽系由来であるはずがないからです。

太陽系外からの小惑星が過去、太陽や惑星、衛星などと衝突していたかもしれません。木星や土星の衛星には生命が存在しうる環境があると考えられているので、他の星系から生命の元となる有機物がもたらされ、生命が誕生していた可能性も考えられます。研究者たちは、他の逆行軌道をもつ小惑星についても、その起源を明らかにしたいと考えています。

 

「失われた惑星」存在の証拠を発見。太陽系にはもう一つ惑星があった?

 

via: The Guardian/ translated & text by SENPAI

 

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