ヤマトの貨物ドローン
ヤマトの貨物ドローン / Credit:ヤマトホールディングス株式会社_サイクロテック社の「サイクロローター」を用いた理論研究の成果を公開(2022)
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翼もプロペラもない! 運送会社「ヤマト」が新機軸の貨物ドローンを発表

2022.04.18 Monday

2022.04.16 Saturday

ドローンを用いた物流が本格的に始まるかもしれません。

日本の運送会社である「ヤマトホールディングス株式会社」が、オーストリアのeVTOL開発会社「サイクロテック(CycloTech)」と協力して、まったく新しい貨物ドローンのコンセプトを発表しました。

従来のドローンとは異なり、翼もプロペラもありません

奇妙な形をしていますが、無人で空を飛び、荷物を配達するというのです。

理論研究の成果は、2022年4月12日付の『ヤマトホールディングス株式会社のニュースリリース』で報告されました。

サイクロテック社の「サイクロローター」を用いた 理論研究の成果を公開 https://www.yamato-hd.co.jp/news/2022/newsrelease_20220412_1.html CycloTech and Yamato reveal innovative cargo eVTOL concept with CycloRotors https://www.cyclotech.at/press-release-cyclotech-and-yamato/

荷物を運ぶ「未来の貨物ドローン」

新しく発表された「貨物ドローン」
新しく発表された「貨物ドローン」 / Credit:ヤマトホールディングス株式会社_サイクロテック社の「サイクロローター」を用いた理論研究の成果を公開(2022)

新しく発表された貨物ドローンは、荷物を運ぶためにデザインされています。

ドローンといえば、4つのプロペラが付いたeVTOL(電動垂直離着陸機)が一般的ですが、ヤマトのドローンは全く異なった姿をしています。

翼やプロペラがないため、初見では、誰も空を飛ぶマシンだと考えないでしょう。

では、この奇妙なマシンはどのように空を飛ぶのでしょうか?

サイクロローターでスムーズな飛行が可能
サイクロローターでスムーズな飛行が可能 / Credit:ヤマトホールディングス株式会社_サイクロテック社の「サイクロローター」を用いた理論研究の成果を公開(2022)

飛行の秘密は、ドローンに取り付けられた6つの「筒」にあります。

この筒は、サイクロテック社が研究を続けている「サイクロローター(またはサイクロジャイロ)」と呼ばれる新しい推進システムです。

筒の内部に収められたハネが回転することで、推力が発生するのです。

コンパクトながら、推力の大きさと方向を瞬時に制御できるため、ホバリングから前進飛行へと自然に移行できると言われています。

実際、サイクロテック社は2021年10月にサイクロローターで浮遊するプロトタイプの動画を公開しました。

プロトタイプの飛行テスト
プロトタイプの飛行テスト / Credit:CycloTech GmbH(YouTube)_CycloTech – First Free Flight(2021)

4つのサイクロローターだけで見事に浮遊できていますね。

スポーツカーのような未来の垂直離着陸機が発表される

そしてヤマトのドローンには、さらに2つのサイクロローターが追加されています。

他の4つとは装着方向を90度変えているため、安定感が増し、従来のマルチコプターのように横に傾かなくても水平方向に推力を発生させられるのです。

さて、ここまででサイクロテック社の技術を紹介してきました。

次項では、貨物ドローンに収められたヤマト独自の技術を紹介します。

次ページヤマトのドローンには貨物ユニットを搭載できる

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