絶滅した節足動物の新種を発見!
絶滅した節足動物の新種を発見! / Credit: ROM
paleontology

盲目で竹馬のような脚を持つ「新種の古生物」を発見! 進化のミッシング・リンクを埋める可能性

2022.04.25 Monday

This Weird-Looking Aquatic Arthropod Didn’t Have Eyes And Used ‘Stilts’ to Get Around https://www.sciencealert.com/this-extinct-and-bizarre-looking-aquatic-arthropod-didn-t-have-eyes-and-used-stilts-to-get-around
A new marrellomorph arthropod from southern Ontario: a rare case of soft-tissue preservation on a Late Ordovician open marine shelf https://www.cambridge.org/core/journals/journal-of-paleontology/article/abs/new-marrellomorph-arthropod-from-southern-ontario-a-rare-case-of-softtissue-preservation-on-a-late-ordovician-open-marine-shelf/2842CB067540110E7212E88AE26BA1B0

古生物界に、ニューフェイスが仲間入りしました。

トロント大学(University of Toronto)、ロイヤルオンタリオ博物館(ROM)はこのほど、カナダ・オンタリオ州南部にあるシムコー湖(Lake Simcoe)の石切り場で、絶滅した古生物の新種の化石を発見したと発表。

本種は、約4億5000万年前のオルドビス紀に生息していたマーレラ類(marrellomorph)という、絶滅節足動物の一種であることが判明しています。

目がなく、竹馬のような脚で海底を移動していたようです。

研究の詳細は、2022年3月24日付で科学雑誌『Journal of Paleontology』に掲載されました。

節足動物の進化の穴を埋める「ミッシング・リンク」となるか

新種の「トムリンソヌス・ディミトリ」の復元イメージ
新種の「トムリンソヌス・ディミトリ」の復元イメージ / Credit: ROM

この奇妙な節足動物の化石は、昨年夏、カナダ東部のインフラサービス会社であるトムリンソン・グループ(Tomlinson Group)が所有する採石場にて発見されました。

研究チームは、発掘を許可してくれた同グループに敬意を表し、新種の学名を「トムリンソヌス・ディミトリ(Tomlinsonus dimitrii)」と命名しています。

驚くべきは、T. ディミトリの体に硬い部分がないにもかかわらず、化石の保存状態がきわめて良好だった点です。

一般に、骨や貝殻などは保存されやすいですが、皮膚や筋肉のような軟組織は地中で分解され、めったに化石として残りません。

研究主任のジョセフ・モイシューク(Joseph Moysiuk)氏は「この場所では、体の一部が鉱物化した棘皮動物の化石はよく見つかりますが、軟組織ばかりの生物が見つかるとは思いもしませんでした」と話します。

化石が見つかったシムコー湖の採石場
化石が見つかったシムコー湖の採石場 / Credit: ROM

T. ディミトリの全長は約6センチで、手のひらに収まるほど小さいです。

頭部に鳥の羽のような突起を2本持ち、同じものが後部にも生え出ています。

昆虫やクモなどの節足動物に似た体節があり、複数の手足を持ちます。

最も目を引くのは、頭の下に伸びた極めて長い一対の脚で、先端が二又に分かれています。

おそらく、この2本の脚を竹馬のようにして、海底を移動していたのでしょう。

また、目の痕跡がまったくないため、盲目であった可能性が高いようです。

発見された化石、各部位の色分け(青が竹馬のような一対の脚)
発見された化石、各部位の色分け(青が竹馬のような一対の脚) / Credit: ROM

モイシューク氏によると、T. ディミトリは、過去にバージェス頁岩で発見されたマーレラ・スプレンデンス(Marrella splendens)という絶滅節足動物に似ているとのこと。

バージェス頁岩は、約5億500万年前(古生代カンブリア紀中期)に当たるカナダの化石地層で、古代海洋生物の化石を多産していることで有名です。

M. スプレンデンスは、当時生息していたマーレラ類・マーレラ属に分類され、同属ではこの1種のみしか知られていません。

「マーレラ」の復元図
「マーレラ」の復元図 / Credit: ja.wikipedia

研究チームは、今回の発見が「マーレラ類のグループにおける化石記録のミッシング・リンクを埋める助けになる」と期待しています。

T. ディミトリの化石標本は現在、ROMのコレクションとして保管されており、今後、同博物館の展示会「Dawn of Life」で一般公開される予定です。

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