宇宙人からの信号と噂の「高速電波バースト」の正体はパルサー放射だった?

space 2018/05/24
Credit: Dr. Mark A. Garlick; Dunlap Institute for Astronomy & Astrophysics/University of Toronto
Point
・スペクトルを調べることで、パルサー上の光の位置を区別することに成功
・この観測がうまくいったのは、パルサー軌道を覆うプラズマ雲がレンズの役割を果たすため
・高速電波バーストも「プラズマレンズによる増幅」で説明できる可能性

 

まるでパルス信号のように断続的に光がやってくる、変わり者の天体「パルサー」。

オランダの天文学者が「6500光年先にある20km程度の大きさのパルサー上の光の点」を識別するという偉業を成し遂げました。これは冥王星に置かれたノミを望遠鏡で観察するようなものです。

これだけでもすごいのですが、本当の偉業はここから。この観察の裏にある物理的な過程が、天文学最大の謎の1つを理解する一助となるものだったのです。研究は23日付で科学誌 “Nature” に発表されました。

Pulsar emission amplified and resolved by plasma lensing in an eclipsing binary
https://www.nature.com/articles/s41586-018-0133-z

カナダの天文学者たちは、パルサー光線のスペクトルが増幅されるという特殊な性質を利用して、その位置の違いを見分けることが出来ました。

このパルサーは30年前に発見されたもので、PSR B1957+20と呼ばれています。その質量は宇宙最大とまではいきませんが、それに匹敵するモンスター級の質量です。一秒間に数百回の速度で自転しており、対となる矮星を9時間かけて回っています。強力な磁場が、非常に強い2つの円錐状の電波を周期させることで瞬いています。そして強力な引力で、対となっている矮星をゆっくりと「食べ」ています。

Credit: Wikipedia / パルサーが時点により周期的に発光する原理

パルサーと褐色矮星の距離は地球と月の距離の数倍です。距離が近いので、パルサーの放つ強力な光線は、褐色矮星の表面を太陽の熱ほどの温度まで上げます。その結果、褐色矮星の表面からプラズマ雲が宇宙に放出され、拡散するガスの層が作られます。そして地上から見た星が大気によって瞬くように、パルサーからの光も軌道上のプラズマ濃度の変化によって歪められます。この現象を利用して、天文学者は発光スペクトルを詳しく観測することができるのです。

「このガスがちょうどパルサーの正面にある拡大鏡として振る舞います。私たちは、基本的に自然に生み出された拡大鏡を通してパルサーを見ており、それによって断続的に2つの地点を別のものと見分けることができるのです」とトロント大学のロバート・メイン氏は説明します。

Credit: One Pan Fan

実は、このパルサー放射の周波数構造はFRB121102と呼ばれるものによく似ています。FRB121102は「高速電波バースト(FRB)」と呼ばれている短時間電波が放射される天文現象です。多くのFRBはただ1度しか観測されていませんが、FRB121102は複数回の観測がなされています。天文学者たちはその原因を特定出来ておらず、中には宇宙人からのメッセージだと考える人もいるようです。

「多くの観測されたFRBの特性は、それがプラズマレンズで増幅されたものであるとすると説明できます」とメイン氏は述べています。

 

宇宙人のメッセージ説が否定されるのは少し残念ですが、そもそも宇宙には暗黒物質を始めわからないことだらけなので、まだまだ希望はありそうです。

 

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via: Science Alert/ translated & text by SENPAI

 

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