本物の「月の土」で植物栽培に成功!
本物の「月の土」で植物栽培に成功! / Credit:University of Florida . A first: Scientists grow plants in soil from the moon
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2022.05.13 Friday

アポロ計画で「月から持ち帰った土」から植物栽培に成功! (2/4)

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地球上で最も長く姿を変えずに残り続けている生物種とは?

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アポロ11号の土より17号の土のほうが植物の生育に適していた

月の土で育てられた植物は生育状態があまりよくない
月の土で育てられた植物は生育状態があまりよくない / redit:Anna-Lisa Paul et al . Plants grown in Apollo lunar regolith present stress-associated transcriptomes that inform prospects for lunar exploration (2022) . communications biology

異変は植物が成長するにつれて、明らかになりました。

の土を模倣した人工土と本物の月の土で育てられた植物を比較したところ、6日目の段階で既に、本物の月の土で育てられた植物は小さく、根も短くなっていたのです。

さらに16日目になると違いはさらに大きくなりました。

人工土で育てられた植物が順調に成長しているのに対して、本物の月の土で育てられた植物は明らかに生育が遅く、なかには葉が「酷い発育不全」を示す濃い緑色に変色してしまうものもでてきました。

研究者たちが植物で働いている遺伝子を調べたところ、最も発育不全を強く示していた個体では、1000以上もの遺伝子が通常とは異なる働きかたをしていることが判明します。

また違いのみられた遺伝子の多くは、塩分や金属、酸化ストレスなどに反応するものであることが判明します。

これらの結果は、植物たちは月の土をストレスが多い土壌、つまり生育に適していない土とみなしていることを示します。

ですがより興味深い点は、土が採取された場所によって、生育やストレス反応に固有の偏りがあることでした。

それぞれの土で有意に発現に違いがみられた遺伝子。アポロ11号が採取した土は多く17号は少ない
それぞれの土で有意に発現に違いがみられた遺伝子。アポロ11号が採取した土は多く17号は少ない / redit:Anna-Lisa Paul et al . Plants grown in Apollo lunar regolith present stress-associated transcriptomes that inform prospects for lunar exploration (2022) . communications biology

たとえばアポロ11号が着陸した周囲の土は植物とってストレスが多くの生育に不向きである一方で、アポロ17号が着陸したあたりの土では比較的ストレスが少なく生育が順調に進んでいました。

つまり月では農業をするにあたり「いい土」と「良くない土」があったのです。

しかし大気もなく風も吹かない月で、いったいどうしてこんな差がうまれてしまったのでしょうか?

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