これは試したい…? 共感覚を体験する方法がみつかる

science_technology 2017/12/18
Credit: Pixabay

共感覚と聞いて中二心をくすぐられる人もいるでしょう。音が見えたり、数字に色がついたりなんて、古傷が疼くくらいかっこいい。

今回の研究では、この共感覚を一般凡人が手に出来るかもしれない方法が発見されました。まぁ、もちろんいろいろと条件はあって、抵抗のある人も多いと思います。

なぜなら、その鍵はあの「催眠術」にあるらしいんです。

そもそも共感覚って?

121/365. Synesthesia

共感覚とは、刺激が混同する不思議な経験です。たとえば、言葉に味がしたり、光の閃きが聞こえたりといったもので、障害というよりも凄い力として引き合いに出されることが多いです。そしてそれを持っていない私たちは、平凡な感覚を単に受け入れるしかありません。

共感覚の現れ方にも色んな種類があって、音を色として見れる色聴から、他の人が感じた触覚を感じ取るというレアな能力まで様々です。これらの共通点は、本来なら他の感覚として受け取るべき刺激を違った感覚として知覚するというものです。

それがあなたにとって馴染みのあるものであれば、200人から2万人の中の一人いると推定される共感覚に優れたグループの一員であると考えられます。

その原因についてはいまだにはっきりしていません。どの程度遺伝的なものなのでしょう? 共感覚を誘発することはできるのでしょうか? 現状で考えられているのは、脳が発達する時に起こる、ある種の神経の「混線」が原因なのではないか、というものです。

催眠術で共感覚を経験させる実験

Credit: Pixabay

スウェーデンにあるシェーブデ大学とフィンランドのトゥルク大学の研究者チームが、催眠術でかかる暗示状態で共感覚の経験が得られるかを実験しました。

催眠法を調査するために、研究者たちは初等心理学教室の生徒から61人のボランティアを募り、催眠のかかりやすさをテストしました。
選別の末、8人のボランティアが残り、ストループ効果(Stroop task)と呼ばれる一般の知覚テストを受けました。半分は催眠暗示のかかりやすい被験者として、残りの半分は簡単には催眠にかからない人で、比較する対象とされました。

テストの課題は、以下の画像のような、スクリーン上に格子状に並んだ図形の色の名前を言うというものです。

Credit: Kallio, Koivisto & Kaakinen/Scientific Reports

それに続いて、被験者たちは、事前に植え付けられた催眠暗示の「引き金」がひかれました。引き金とはつまり、「わたしが3秒数えたらすぐに……」と告げられることです。被験者その引き金がひかれると、実際の色とは無関係に、すべての図形を指定された色として見るように指示されました。

その反応は録画され、目の動きがトラッキングソフトウェアによって解析されます。

結果、グループの内3人は強く催眠にかかり、言葉による反応と目の移動を通して、図形とその色の間に強い共感覚のような関連性を示しました。

3人の内のひとりは、「引き金」となる言葉を聞いた後、混乱していくつかの図形の色の名前がなかなか言えないようでした。しかし3人の内ふたりの参加者は、いろんな図形が指示された色に見えると報告したのです。その内一人は、自分が共感覚的な経験をしていることを完全に認識しており、もうひとりは無自覚でした。

さらなる研究が必要

[Becoming.Number.One♥]

研究者たちはこのような大胆な結論に飛びつかないように、この実験結果に対して慎重な姿勢をみせています。また、今回の結果が少ないのも問題で、さらなる大規模な実験を望んでいます。加えて、共感覚と類似点があるとはいえ、たった少数の観察を元にして、催眠暗示と条件付けそのものを強固に結びつけるというのは、現状不可能でしょう。

催眠術は、共感覚のマジックを私たち全てに与えてくれるわけではなさそうです。というのも、そもそも暗示にかかりやすい性質がないといけないからです。

しかし、今後他の研究と組み合わせることで、認識と知覚に対する理解を深めることになるでしょう。

 

凡人としては一回くらい共感覚を体験してみたいけれど、催眠術に強くかけられないといけないのはちょっと怖いと思ってしまうのも凡人ゆえかも。

 

via: sciencealert / text by nazology staff

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