25万年前にオスを捨ててクローン増殖の道を選んだバッタ
25万年前にオスを捨ててクローン増殖の道を選んだバッタ / Credit: Michael Kearney, Author provided(The Conversation, 2022)
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出会いなどいらぬ! 25万年前セックスを放棄して繁栄したバッタ

2022.06.07 Tuesday

This Australian grasshopper gave up sex 250,000 years ago and it’s doing fine https://theconversation.com/this-australian-grasshopper-gave-up-sex-250-000-years-ago-and-its-doing-fine-184241 Males need not apply: research on grasshopper species unravels the benefits of giving up sex https://www.unimelb.edu.au/newsroom/news/2022/june/males-need-not-apply-research-on-grasshopper-species-unravels-the-benefits-of-giving-up-sex
Parthenogenesis without costs in a grasshopper with hybrid origins https://www.science.org/doi/10.1126/science.abm1072

地球上のほとんどの生物は、オスとメスの2つの性を持っています。

しかし中には、オスとの交尾を必要とせず、メスだけで繁殖(単為生殖)できる種がいます。

オーストラリアの乾燥地帯に生息する緑色の美しいバッタ、「ワラマバ・ヴィルゴ(Warramaba virgo)」もその一つです。

本種(メス)の卵は、精子と受精しなくても胚に成長し、自らのクローンを生み出すことができます。

豪メルボルン大学(University of Melbourne)は、過去18年間にわたり、W. ヴィルゴがどうして単為生殖するに至ったか、また、その変化が種の生存に与えた影響などを研究してきました。

そして今回の新たな研究により、W. ヴィルゴは、約25万年前に有性生殖を行う2種のバッタのハイブリッドとして誕生したことが判明。

また、単為生殖による悪影響は、今日までまったくないことが明らかになりました。

研究の詳細は、2022年6月2日付で科学雑誌『Science』に掲載されています。

単為生殖のメリットとデメリット

進化生物学者たちは、これまで、W. ヴィルゴのような単為生殖種が少ないことに疑問を抱いてきました。

なぜなら、オスとメスの有性生殖には多くのコストがかかるからです。

第一に、オスだけでは繁殖できないのに、子孫の半分がオスになる必要があるのは”進化上の無駄 “とみなせます。

第二に、交尾相手を見つけるのに時間と労力が必要で、探している間に、天敵に食べられることも少なくありません。

オスをなくし、メスだけで繁殖できれば、こうしたデメリットもなくなります。

ワラマバ・ヴィルゴ(Warramaba virgo)
ワラマバ・ヴィルゴ(Warramaba virgo) / Credit: Michael Kearney, Author provided(The Conversation, 2022)

では反対に、有性生殖のメリットは何でしょうか?

最大の理由は、交尾の結果生じる遺伝子の「組み換え」にあります。

オスとメスの遺伝子が混ざることで、種の遺伝的多様性が豊かになり、病気への耐性や環境への適応力が大きく高まります

それから、生存にとって不利な突然変異を集団から排除する役割もあります。

対照的に、単為生殖にはこうしたシステムがなく、すべての子孫が母親と同じ遺伝子を受け継ぎます。

そのため、遺伝的多様性に乏しく、環境が変化したときの適応力が低下したり、病原菌に感染すると全滅する恐れもあるのです。

さらに、単為生殖は、不利な突然変異を排除できず、世代ごとに蓄積してしまうリスクもあります。

では、このような単為生殖のデメリットは、W. ヴィルゴにも表れているのでしょうか?

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