太古の超大陸「パンゲア」の分裂時期が変わる。「新種ほ乳類」の化石が明かす新事実

history_archeology 2018/05/30
Credit: sciencealert
Point
・北米で新たな「は虫類型ほ乳類」の頭蓋化石が見つかる
・これにより「パンゲア大陸の分裂」にかかった時間が、考えられていたよりも長かったことが示唆される

 

1億3千万年前の生物の化石の発見により、太古の超大陸パンゲアの分裂が、科学者がこれまで考えていたよりもゆっくりと起こっていたことがわかりました。23日、科学誌 “Nature” にその研究が報告されています。

Late-surviving stem mammal links the lowermost Cretaceous of North America and Gondwana
https://www.nature.com/articles/s41586-018-0126-y

新たに見つかったこの種には、ユタ州の部族の言葉で「黄色い猫」を意味する “Cifelliodon wahkarmoosuch” といった名前がつけられました。高解像度のCTスキャンを用いることで、この生物が推定で最大1.1kgであったことが判明。これは野うさぎくらいの大きさで、この生き物が生息した当時としては巨大なものです。また、その大きな嗅球と小さな眼窩から夜行性だったと考えられます。

この発見は “Haramiyida” と呼ばれる「絶滅したほ乳類の祖先」が大陸に散らばった時期について再考を強いるものでした。現在までに “Haramiyida” の化石は「三畳紀」と「ジュラ紀」のヨーロッパ、グリーンランドとアジアで発掘されています。しかし、今回の化石は「白亜紀初期」の北米で見つかった最初の頭蓋化石です。

Credit: fukushima-u.ac.jp

これが意味するのは、ほ乳類の祖先 “Haramiyida” が「ジュラ紀・白亜紀移行期」に全世界に存在していなければならないということです。つまり、パンゲア大陸は「初期の白亜紀」まではつながっており、彼らの移動経路を確保していなければつじつまが合わないのです。

Credit: Keck School of Medicine of USC/Jorge A. Gonzalez

大陸移動説によると、パンゲアが分裂し始めるのが2億2千5百万年から2億年前。新たな発見が示すのは、パンゲアの分裂にかかった時間が考えられていたより「1千5百万年長かった」ということです。この移動経路が開いていた間に、初期のほ乳類はアジアからヨーロッパ、その後、北アメリカと主要な南部の大陸に移住していたことになります。

筆頭著者である南カリフォルニア大学のアダム・ハッテンロッカー氏は、「私達が発見したこのつながりは、最近認識されるようになった “アフリカとヨーロッパで見つかった白亜紀の恐竜化石の類似性” という、他の証拠の真実性を強化するものです」と語っています。Clifelidonの化石はこのパズルにピッタリ合うピースだったようです。

 

via: Science Alert / translated & text by SENPAI

 

 

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