ナナフシは鳥に食べられても子孫を残せることが明らかに

animals_plants 2018/05/29
Credit:神戸大学 / 新しいナナフシの分布拡大のメカニズム
Point
・ナナフシが鳥に食べられても、その体内にある卵は無傷で排泄されてふ化まで至ることを発見
・研究者らは、植物の種子と同じように、鳥に食べられることでナナフシの生息地が拡大していると考えている

 

神戸大学らの研究チームは、ナナフシが鳥に食べられても体内にある卵の一部が消化されずに排泄されて、ふ化まで行われることを発見しました。今回の発見により、これまで鳥に食べられた昆虫は卵もろとも消化されるという常識が覆ったことになります。

Stick insects travel long distances—by being eaten by birds
http://www.sciencemag.org/news/2018/05/stick-insects-travel-long-distances-being-eaten-birds

今回の研究のアイデアは、植物などの果肉を食べることで種子を運ぶ鳥が、植物以外にも昆虫を食べていることからでした。自ら移動することができない植物は、生育場所を広げるために果実入の果肉を鳥が食べることで種子を運びます。研究チームは、これが植物だけでなく、昆虫にも応用できるのではと仮説を立てました。

この仮説を立証するための昆虫として、植物と同じように移動能力が低く、卵が丈夫で、ふ化した幼虫が自力で餌にたどり着けるなどの特徴があるナナフシを研究対象としました。

実験では、ナナフシの卵をヒヨドリに食べさせて、卵が無傷で排泄されるか調査を行いました。その結果、トゲナナフシやナナフシモドキ、トビナナフシの卵が5~20%の確率で無傷で排泄されていることを発見。さらに、ナナフシモドキでは、排泄された卵から幼虫がふ化することを確認しました。

Credit:神戸大学/ 左図:排泄されたナナフシの卵,右図:ふ化したナナフシ

研究チームは、今回の発見とナナフシの特徴から、ナナフシが鳥に食べられた場合、植物の種子と同じように、ナナフシ体内の卵は消化されずに排泄され、それがふ化して分布拡大に貢献していることは十分ありうると考えています。

実際に、ナナフシの仲間には、移動能力が低いにも関わらず海を渡って分布しているものもあります。今後研究者らは、ナナフシの遺伝構造を解明して、共通の遺伝子を持ったナナフシの分布が鳥の移動ルートと一致しているかなどの調査を想定しています。

 

via: 神戸大学 / text by ヨッシー

 

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