史上初の地球防衛テスト「DART計画」がいよいよ来週に迫る!
史上初の地球防衛テスト「DART計画」がいよいよ来週に迫る! / Credit: ja.wikipedia
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NASA will smash its DART spacecraft into an asteroid on Monday. Here’s how to watch. https://www.livescience.com/dart-test-what-you-need-to-know Why is a NASA spacecraft crashing into an asteroid? https://phys.org/news/2022-09-nasa-spacecraft-asteroid.html

2022.09.28 Wednesday

2022.09.23 Friday

史上初の地球防衛ミッション「DART計画」がいよいよ来週に迫る!ライブ配信の視聴法は?

小惑星が地球に衝突する話はフィクション作品で飽きるほど見ているかもしれませんが、それが現実に起こるとしたら人類には何ができるでしょうか?

その答えがもうすぐ明らかになります。

というのも、アメリカ航空宇宙局(NASA)による「DART計画」がいよいよ来週の26日(月)東部標準時午後7時14分(日本時間9月27日午前8時14分)に実行されるのです。

DARTとは「Double Asteroid Redirection Test(二重小惑星方向転換試験)」の略称で、小惑星に探査機をぶつけて軌道を変えるミッションを指します。

これは、人類史上初となる惑星防衛の技術検証であり、成功すれば小惑星から地球を守るための有効な手段となるでしょう。

DART計画の模様は、26日の午後6時(日本時間27日午前7時頃)から「NASA TV」でライブ配信される予定。

配信の様子は、YouTube、Facebook、Twitter等で、世界中から誰でも簡単に見られます。

「DART計画」の標的と狙いとは?

惑星の衝突に用いる探査機「DART」は、日本時間2021年11月24日に、米カリフォルニア州・ヴァンデンバーグ宇宙軍基地からSpaceX社のファルコン9ロケットによって打ち上げられました。

今回のミッションでDARTが標的とするのは、地球から約1100万キロ離れた場所にある二重小惑星です。

この二重小惑星は、直径780メートルの小惑星「ディディモス(65803 Didymos)」と、その衛星である直径160メートルの「ディモルフォス(Dimorphos)」(あるいはディモーフォス)からなります。

このうち、DARTを衝突させるのは、後者のディモルフォスの方です。

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ディディモスは、約2.1年周期で太陽のまわりを周回しており、それに付き従うディモルフォスは、約11時間55分でディディモスを公転しています。

ディモルフォスは、地球に接近して衝突する可能性のある「潜在的に危険な小惑星(PHA:Potentially Hazardous Asteroid)」に分類されていますが、現時点でその軌道が地球軌道と交差することはなく、実際的な脅威とはなっていません。

ディディモスと衛星ディモルフォスへ接近するDARTの想像図
ディディモスと衛星ディモルフォスへ接近するDARTの想像図 / Credit: ja.wikipedia

DARTは、今回のミッションで、日本時間2022年9月27日午前8時14分にディモルフォスへと衝突する予定です。

しかし、その目的は、ディモルフォスをこっぱみじんにすることではありません。

DARTの機体は、約1.2×1.3×1.3メートルで、質量は570キロ。対するディモルフォスは、直径160メートル、重さ500万トンに達すると推定されています。

DARTの衝突によって研究チームが狙いとするのは、ディモルフォスの軌道変化です。

ミッションを主導するジョンズ・ホプキンス大学(JHU)応用物理学研究所のナンシー・シャボット(Nancy Chabot)氏は、次のように説明します。

「私たちが目指すのは、小惑星の破壊ではなく、軌道の変更です。

衝突によって、数十メートル規模のクレーターができ、約100万キログラムの岩石や塵が宇宙空間に投げ出されるでしょうが、それで小惑星が破壊されることはありません。

このミッションでは、ディモルフォスの約12時間周期の軌道を73秒遅らせることができれば成功と見なされますが、実際の変化は、最大で10分に及ぶ可能性も想定されています

破壊はできなくても、軌道を変えることさえできれば、地球に甚大は被害をもたらす衝突を回避できるのです。

ちなみに、DARTは秒速6.1キロのスピードで、ほぼ真正面からディモルフォスにぶつかります。

こちらは、DARTの打ち上げから衝突までのイメージをわかりやすくまとめた動画です。

また、DARTには、イタリア宇宙機関(ASI)の小型探査機「LICIACubeが搭載されており、これを事前に切り離して、ディモルフォスへの衝突の瞬間や、その後の様子を撮影します。

LICIACubeの分離は、衝突の10日ほど前を予定しているので、現在はすでにDARTから離れています。

LICIACubeは、衝突ポイントから約55キロ離れた場所で、一部始終を撮影し、その様子を地球に転送する予定です。

ただし、実際にディモルフォスの軌道が変わったかどうかを調べるには、数日から数週間を要するとのこと。

NASAの惑星防衛プログラムの科学者であるトム・スタトラー(Tom Statler)氏は、今月12日の声明で、「私たちのDART計画は、自然の天体の動きを変える人類初の試みであり、全世界にとって真に歴史的な瞬間となるでしょう」と述べました。

DART計画は、3億2500万ドル(約462億円)が費やされた一大プロジェクトであり、世界中の人々が固唾をのんで、その成否を見守ることでしょう。

果たして、結果はどうなるのか? 来週27日の「NASA TV」に注目です。

(ジョンズ・ホプキンス大学のDART計画のホームページでは、すでにカウントダウンも始まっています)

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