地上に放置されても大丈夫!「恐竜ミイラ化」の新たなプロセスが判明
地上に放置されても大丈夫!「恐竜ミイラ化」の新たなプロセスが判明 / Credit: Stephanie Drumheller et al., PLOS ONE(2022)
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Astonishing dinosaur mummy has ‘glittering’ skin that was punctured and ripped by ancient crocs https://www.livescience.com/dinosaur-mummy-formation Dinosaur ‘mummies’ might not be as unusual as we think https://phys.org/news/2022-10-dinosaur-mummies-unusual.html
Biostratinomic alterations of an Edmontosaurus “mummy” reveal a pathway for soft tissue preservation without invoking “exceptional conditions” https://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0275240

2022.10.13 Thursday

皮膚つきの化石はなぜできる? 「恐竜ミイラ化」の新たなプロセスが判明

恐竜の骨がよく発見されるのに対し、皮膚や軟組織をとどめた恐竜のミイラは、そう簡単に見つかりません。

ミイラとして保存されるためには、死んだ後にすぐ地中に埋められるか、酸素の乏しい海底や沼沢地に埋没しなければならないと考えられているからです。

しかし今回、米テネシー大学(University of Tennessee)の古生物学研究チームは、急速な埋没とは異なる、恐竜がミイラ化するための新たな方法を発見したと発表しました。

その方法だと、死後数週間〜数カ月の間、地上に放置されていても十分ミイラ化しうるとのことです。

一体、どんな方法なのでしょうか?

研究の詳細は、2022年10月12日付で科学雑誌『PLOS One』に掲載されています。

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ミイラ化した皮膚を残す化石標本「ダコタ」を調査

本研究では、ノースダコタ・ヘリテージ・センター&州立博物館(North Dakota Heritage Center & State Museum)に収蔵されている、アヒル口の草食恐竜エドモントサウルス(Edmontosaurus)」化石を調査対象として用いました。

この化石標本は、1999年に、米最北部ノースダコタ州にあるマーマース近郊の牧場で発見され、「ダコタ(Dakota)」という愛称が付けられています。

ダコタは、約6700万年前の白亜紀末のもので、非常に保存状態がよく、ほぼ全身にわたる骨格の他に、右前足、左後足、尾の付け根のミイラ化した皮膚が残されているのです。

エドモントサウルス「ダコタ」のミイラ化した皮膚標本
エドモントサウルス「ダコタ」のミイラ化した皮膚標本 / Credit: Stephanie Drumheller et al., PLOS ONE(2022)

チームの一員で、ノースダコタ州立歴史協会(SHSND)のミンディ・ハウスホルダー(Mindy Householder)氏は「皮膚は全体的に深い茶色をしていますが、化石化の過程で多くの鉄を含んだため、少し光沢があり、光っているようにも見える」と話します。

ダコタの皮膚は、2014年に一般公開されましたが、その時点では、周囲の岩石から完全に取り除かれておらず、詳しい研究ができませんでした。

しかし、2018年に本格的な化石の洗浄が行われたことで、皮膚と骨のいたるところに、何らかの生物による噛み跡が発見されたのです。

そこでチームは今回、現代の哺乳類やヒト遺体の法医学的研究データをもとに、皮膚の噛み跡を分析。

その結果、これらの噛み跡は、古代ワニや小型の肉食恐竜の歯と爪により付けられたものと判明しました。

標本のいたるところに噛み傷が散見された
標本のいたるところに噛み傷が散見された / Credit: Stephanie Drumheller et al., PLOS ONE(2022)

おそらく、ダコタが死んだ後、その死骸にワニや肉食恐竜が群がり、残された肉を食べたと見られます。

加えて、これらの無数の傷跡は、ダコタの死骸がすぐには地中に埋没せず、しばらくの間、地上に放置された状態にあったことを示唆します。

しかし、「外気にさらされっぱなしの死体は必ず腐敗する」という自然のルールがあります。

それなのに、なぜダコタの皮膚はミイラとして残ったのでしょうか?

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