ナミブ砂漠のフェアリーサークル
ナミブ砂漠のフェアリーサークル / Credit:Stephan Getzin(GAU)_Press release: Secrets of Namibia’s fairy circles demystified: plants self-organise(2022)
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ナミブ砂漠のフェアリーサークル形成の原因が判明! 周りの草が水分を吸っていた (2/3)

2022.11.05 Saturday

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フェアリーサークルの原因はシロアリではなかった

フェアリーサークルの長期間にわたる調査を実施
フェアリーサークルの長期間にわたる調査を実施 / Credit:Stephan Getzin(GAU)_Press release: Secrets of Namibia’s fairy circles demystified: plants self-organise(2022)

ゲッツィン氏ら研究チームは、2020年乾季から2022年雨季の終わりまで、ナミブ砂漠の10カ所でフェアリーサークルとその周辺を調査することにしました。

これらの地域では降雨量が少なくタイミングも不規則です。

研究チームは、降雨のタイミング、草の根、芽、シロアリを観察しながら、土壌センサーによって30分間隔で土の中の水分量を記録しました。

その結果、サークル内でも降雨後に新しい草が芽生えるのを観察できました。

ところが降雨後10日の時点で既に、サークル内に芽生えた草のほとんどが枯れてしまっていました。

やはり降雨量が少ないと草は育たないのでしょうか。

サークル内だけ新しい草が育たない
サークル内だけ新しい草が育たない / Credit:Stephan Getzin(GAU)_Press release: Secrets of Namibia’s fairy circles demystified: plants self-organise(2022)

しかし降雨20日後では、サークル内の草は変わらず枯れてなくなっている状態でしたが、サークル外の草は緑で柔らかい状態を保っていました。

つまりフェアリーサークルとは、草が生えない場所というよりも、草がすぐに枯れてしまう場所だったのです。

また今回の調査では、シロアリが根を食害した形跡も発見できませんでした。

降雨後すぐに草が枯れたため、シロアリだけでなく、根を食べる生き物の痕跡は一切見られなかったようです。

これによりシロアリ説は間違いであることが証明されました。

では、もう1つの自己組織化説が正しいのでしょうか?

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