うんちは腸が「思考」することで促される。第二の脳、腸に関する最新研究

biology 2018/05/30

Point
・腸には独自の神経システムがある
・独立しているその神経システムにおいて、排便を促すための神経伝達パターンが検知される
・これは「第二の脳」である腸の「思考」方法についての理解を深める重要な発見

 

腸は「第二の脳」とよばれています。

それは、腸がただの消化・吸収器官ではなく、「状況判断」や「理解」といった脳がおこなっている活動に直結するはたらきをもっているからです。その関係の深さについては、当サイトでも過去に紹介しています。

「腸」が脳の機能を補完していることがわかる

新しい研究で、はじめて「排便」の際のニューロンの情報伝達が腸内でおこっていることがわかりました。

Identification of a rhythmic firing pattern in the enteric nervous system that generates rhythmic electrical activity in smooth muscle
http://www.jneurosci.org/content/early/2018/05/28/JNEUROSCI.3489-17.2018

「第二の脳」である腸には「腸内神経システム」が存在しています。マウスでの実験により、その神経システムが、いわゆる「大」をするときに働いていることがわかったのです。当然ながら腸内神経システムは、脳と脊髄によって構成されている「中枢神経系」とは切り離された場所にあります。

両者は互いに協力して、身体の活動をコントロールしますが、腸内神経システムは独自の神経回路によって働くこともできます。それにより中枢神経系と連携するだけでなく、自律的な消化活動を促すことができるのです。

研究者によると、マウスの結腸にはおよそ400,000もの独立したニューロンが存在していたとのこと。そして、彼らは高解像度のニューロン画像と電極を調べることにより、腸の筋肉を収縮させて排便を促すための、腸内細胞におけるニューロンの神経伝達パターンを検知することに成功しました。

これは、「第二の脳」がいかに「思考」しているかについての理解を深める重要な発見です。研究を率いたフリンダース大学のニック・スペンサー氏は、「この研究は、腸内神経システムに存在している膨大な数のニューロンが、どのようにして筋肉収縮を促しているかについて発見した初めての研究です。腸のシステムは独立しており、本当に脳のように働いているのです」と、語っています。

 

研究によっては「腸」は「脳」よりも賢く、「第一の脳」であると主張するものもあります。そうなれば「脳」を「第二の腸」と呼ぶべきな気もしますが…

たしかに「腑に落ちる」といった表現が示すように、「頭で理解」するより「体で覚える」ほうがより深い理解が得られることを考えると、そういった説もあながち間違っていないかもしれません。

 

腸と脳の神経系の病気の関係が明らかに。鍵はトリプトファン

 

via: sciencealert / translated & text by なかしー

 

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