中国のインド侵略は偶発的ではなく戦略的に計画されていると判明!
中国のインド侵略は偶発的ではなく戦略的に計画されていると判明! / Credit:Canva . ナゾロジー編集部
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中印国境の”偶発的”な紛争は「ゲーム理論に従った戦略的計画」だった!? (2/3)

2022.11.14 Monday

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中国が採用するゲーム理論は「弱者の戦法」

ゲーム理論は対象となるゲームや戦争形態ごとに、多くの種類が存在します。

研究者は中国の侵攻ポイントが少数に集中していることから、中国が侵攻に採用しているゲーム理論は「Blottoゲーム」に近いものであると推測しました。

「Blottoゲーム」は上の図のように、6人の兵隊を3カ所に配置して勝ち負けを行うゲームです。対戦相手が自分からみて左に1人、真ん中に1人、右に4人と配置しているときに、自分が左に2人、真ん中に2人、右に2人と配置した場合、左と真ん中で勝って右側で負ける2勝1敗となり、勝つことができます。 そしてゲーム理論ではこの「Blottoゲーム」に必勝法が存在することが示されています。「左1中2右3」あるいは「左2中2右2」と配置すれば必ず勝か引き分けになります。
「Blottoゲーム」は上の図のように、6人の兵隊を3カ所に配置して勝ち負けを行うゲームです。対戦相手が自分からみて左に1人、真ん中に1人、右に4人と配置しているときに、自分が左に2人、真ん中に2人、右に2人と配置した場合、左と真ん中で勝って右側で負ける2勝1敗となり、勝つことができます。 そしてゲーム理論ではこの「Blottoゲーム」に必勝法が存在することが示されています。「左1中2右3」あるいは「左2中2右2」と配置すれば必ず勝か引き分けになります。 / Credit:Canva . ナゾロジー編集部

相手の防衛の手薄なところに目標を絞って狙えば、少ない兵力でより大きい兵力の相手に勝つことも可能になります。

このような的を絞った戦略は通常、資源が少なく兵力が限られたプレーヤーが採用するものであり、いわばゲリラ戦術に代表される「弱者の戦法」の1つです。

中員国境ではインドの兵力の手薄なポイントで、にらみ合う兵士たちがたまたま上がった銃声などを発端に小競り合いを起こし、中国側が勝つというような状況が発生します。

すると中国側は効率的に要所を抑えて優位に立っていくことができるのです。

現在の一般的な認識では、中国はインドを凌駕する軍事力を持っていると考えられており、紛争にかんしても強国(中国)と弱小国(インド)といった枠組みで見られています。

しかしながら中国が勝利の方程式として採用したゲーム理論は、自分が弱者である場合に最適解となるものであり、矛盾が生じています。

研究者たちは「中国はインドの軍事力について、実際にはかなりの脅威を感じていることが原因である可能性が高い」と述べています。

しかしより興味深い結果は、中国が侵攻を起こすタイミングにありました。

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