心理学者「サンタがいるという嘘は子どもの心の健康に良い」

culture 2017/12/23
Credit: Pixabay

毎年クリスマス時期になると、罪悪感を抱きつつサンタの話をする親も多いのではないでしょうか。しかしある心理学者は、「サンタという嘘が子どもたちの精神の健康にいい」と話しています。

コロラド大学の発達心理学者クリスティ・ダンフィールドは、どのように信頼は育まれるのか、そしてその信頼が崩れた時何が起こるのかなど、子どもたちの信頼について研究しています。ダンフィールド氏は、「子どもが自分でサンタはいないと気づくことで、理論的な能力が育つ」といいます。

 

子どもたちにとって、クリスマスは一年の中でも魔法の時間です。だからこそ親は、子どもたちが騙されていると知ったときの衝撃がどれほどかを心配しているのでしょう。

しかし発達心理学の領域における研究では、このようなファンタジー信仰は実際のところ害のないものであるどころか、たくさんの前向きな発達上の成果と関係有ることが示れています。その成果とは、人類の革新に必要な「事実に反するものに対する論理的思考の能力」の練習をすることであったり、感情的な発達の増大などです。

 

年とともに子どもは、サンタは物理的には不可能である不思議なことが出来ると気付くまでに育ちます。この知識は、子どもたちが尋ねる質問にあらわれます。

「サンタさんはどこに住んでるの?」といった一般的な特徴について興味を持ちはじめ、さらに年を重ねると、「どうやってサンタさんは一晩で世界を回るの?」といった、サンタの並外れた能力についてより研ぎ澄まされた質問をするのです。サンタに対する疑念は、子どものこうした理論的な思考回路につながっていくものでもあるのです。

彼らの正体を疑うのは認識力の発達の現れ。これを認めることで、信仰の重荷から解き放たれる親も多いのではないでしょうか。

子どもに判断を任せたいのであれば、単純に同じ質問を子どもに返すことも出来ます。それによって、子どもは自分にとっての説明を思いつくことができます。たとえば、「わかんないな。どうやってソリが飛ぶと思う?」などと返すのです。

サンタが愛すべき空想の人物であるという考えに導きたいなら、異なる反対の証拠や説明を与えます。

ダンフィールド氏のサンタ神話が崩壊したのは、母親のローブのポケットにサンタからのプレゼントの値札を見つけた時だといいます。親の選ぶ戦略がどれであれ、結局はサンタに反対する証拠が圧倒するようになり、信心を保ち続けられなくなるでしょう。

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もし子どもが騙されていることに気付いた時、子どもたちはどう反応するのでしょうか。

サンタの真実を知った子どもたちの反応を調べた研究では、両親の方が子どもたちより切替が難しいという結果が出ています。対して子どもたちは、その発見に非常に前向きな感情を持っていました。

なぜこのような結果がでたのでしょうか。サンタは子どもたちにとって、他者の証言を通して学ぶ多くのことのひとつに過ぎません。私たちは知っている多くのことの根拠を他者に頼っていますから、驚くほど上手にこの課題を扱えるのです。子どもたちは、自分たちが聞いた情報の出どころと内容の両方を、持っている知識と、過去にその出どころと関わった記憶に照らして評価します。

両親が子どもたちと共有しているすべての情報と比較した時、たったひとつの嘘が修復不能なダメージを与えることなどほとんど有りえません。

子どもたちはサンタの真実を知ると同時に、「サンタがいる」といったような嘘は、良い意図を持ってなされるということを理解し始めます。

 

サンタのような不可能な存在を信じることは、子どもにだけ通用する特別な種類の魔法です。

研究が示しているのは、幻想的なものへの信仰は、多くの発達に関する前向きな結果と結びついているということです。だから、もしあなたの子どもがいまだに信じているなら、大いにその信仰を守ってあげましょう。

 

 

via: The Conversation / translated & edited by nazology staff

 

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