サウスダコタ州で撮影された2022年のしぶんぎ座流星群
サウスダコタ州で撮影された2022年のしぶんぎ座流星群 / Credit:EarthSky,Kathie O’Donnell
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1月4日は年始めの天体ショー「しぶんぎ座流星群」観測のタイミングは? (2/2)

2023.01.05 Thursday

2023.01.03 Tuesday

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迎春に春の星座を観測しよう

しぶんぎ座流星群のときは春の星座が見やすい

新年、年賀状に書かれる定番の言葉に迎春(げいしゅん)ってありますよね。

今の時代だと冬なのに春?となりますが、旧暦の1月は現在の新暦では1月下旬から3月頃にあたります。

しぶんぎ座流星群の観測時刻は、春に空を見上げるのと同じ星空になっています。星座観察を通して一足先に春を感じるのはいかがでしょう?

冬の星空と春の星空の比較
冬の星空と春の星空の比較 / Credit:国立天文台

「春の大曲線」を探してみよう

右は今の時期に夜に見える星空で、秋から冬の星座が中心にあります。左は早朝に見える星座で、冬から春の星座が中心にきています。しぶんぎ座流星群の放射点の右下に北斗七星がありますね。

この北斗七星のひしゃくの柄の先から、うしかい座の1等星アークトゥルス、おとめ座の1等星スピカを結ぶと大きな曲線を描くことができ、これを「春の大曲線」といいます。

アークトゥルスは北半球で普通に見える星のなかではシリウスについで2番目に明るく目立つので、すぐ見つけられるでしょう。オレンジっぽい色をしている星です。

青白い色のスピカと対比され、「金星と銀星」「夫婦星」などと呼ばれることもあります。

星の明るさランキング

ちなみに、星の明るさは太陽を除くと1番が冬の夜空で輝くおおいぬ座のシリウス、2番がカノープス、3番がケンタウルス座α、そして4番目がアークトゥルスとなっています。

カノープスは2月頃に東京からだと南中高度が約2°のギリギリの高さで観測チャレンジが話題になるのですが、ケンタウルス座αは一番聞き慣れないですよね。

でも、ケンタウルス座α星系は太陽系からもっとも近い恒星系で、ケンタウルス座αを周る惑星が天文学上で生物が生きられる領域圏内のハビタブルゾーン内にあるということで生物がいるのではと注目される星です。

SFなどで題材にされることで「それか」と思う人もいるかもしれません。新海誠監督の初期作品『星のこえ』にも出てきますよ。

「からす座」も探してみよう

「春の大曲線」の曲線をもっと伸ばすと、まるで「凧」のような形をした星座「からす座」に行き着きます。

3等星の集まりなのですが、形が整っているため暗い場所だと見つけやすい星座です。

このからす座は、南十字星を探すときの目印になり、からす座から真下にたどっていくと南十字星を見つけることができます。

北半球からは見えないものの、南十字星は『銀河鉄道の夜』の終着駅になっているほか、有名な星座ですし、一度は見てみたいと思っている方は多いのでは? このあたりにあるのか、と思いをはせてみてはいかがでしょう?

「春の星座は春に見ればいいのでは?」と思うかもしれませんが、春は湿度が高くてぼんやりした星空になりがちなんです。月も「おぼろ月夜」ですよね。

せっかく暗い星も見えやすい、冬のスッキリと澄んだ空なので、しぶんぎ座流星群で流れ星を待つ間に「春の大曲線」から3等星のからす座まで探してみましょう!

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