物理学者が『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の次元転移装置っぽいものを開発! 時間反転対称性を破る

technology 2018/06/01

Point
・「フラックスキャパシター」を開発、時間反転対称性を破る
・この装置は時間を逆転するものではないが、信号を一方向にだけ通すことができる
・量子コンピューターなどの未来技術に応用することで高性能化が見込める

 

人気映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のデロリアンに搭載されたタイムマシーン、「フラックスキャパシター」。オーストラリアとスイスの物理学者たちのグループが現実に、時間反転対称性を破る、キャパシターの周りの磁場の量子トンネル効果を利用した装置を提唱しています。研究は“Physical Review Letters”で発表され、マイクロ波信号の動く方向をコントロールできる新世代の電子回路を紹介。

Passive On-Chip Superconducting Circulator Using a Ring of Tunnel Junctions
https://journals.aps.org/prl/abstract/10.1103/PhysRevLett.120.213602

研究は2つのオーストラリアの先端科学機関である、EQUSとFLEETの協力して行われました。FLEETのジェレッド・コール氏によると、装置は電気抵抗無しで電気が流れる超伝導体によって作られます。「私たちは2つの異なる回路を提唱しましたが、そのうち1つは映画に出てきた三角の星型フラックスキャパシターに似ています。量子トンネル効果によって、磁束の量子チューブが中央キャパシターの周りを動けるのです」この磁場と電荷の組み合わせによって、時間反転対称性の破れが起きるとのこと。

残念なことに、この効果で実際に時間を遡ることは出来ません。ですが代わりに、回路を信号が一方向にだけ回ります。それはちょうどロータリーを車が回るのと同じです」と説明するのはトム・ステース教授は説明しています。

この装置は、実験装置の部品を隔離するのに使え、極度に感度の高い量子システムの部品を含む系で重要となります。例えば、量子コンピューターなどの次世代テクノロジーには必須の部品となるでしょう。量子コンピューターの規模を拡大する、大きな一歩となる研究だと筆頭著者のミュラー氏は言います。

もっと身近な例だと、携帯電話やwi-fiのアンテナへの発展的応用や、レーダーの改良などに応用できる可能性があるとのこと。

 

時間反転対称性の破れなどと聞くと、タイムトラベルの可能性を感じてワクワクしてしまいますが、物理学の世界では違った意味で使われているようです。ただ、量子コンピューターの高性能化でシンギュラリティーが起き、AIがタイムトラベルに関する問題を解いてくれるとすると、タイムトラベルへと一歩近づく成果と言えなくもないかもしれません。

 

量子実験で「時間の矢」が逆転することが実証される

 

via: Phys Org/ translated & text by SENPAI

 

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