体内デバイスに「充電」できるワイヤレスシステムの開発に成功

science_technology 2018/06/05
Credit:MIT / 電力供給の様子
Point
・体内デバイスとの「通信」や「電力供給」が可能なワイヤレスシステムが開発される
・豚を用いた実験では、皮膚下10センチのセンサーに1メートル離れた場所から電力供給を行うことに成功
・応用として、光で脳を刺激して病気の治療を行うことなどが期待される

マサチューセッツ工科大学は、体内に埋め込まれたデバイスと「通信」や「電力供給」ができる新しいワイヤレスシステムを開発することに成功しました。

このワイヤレスシステムによって、体内デバイスを小型化することができます。また、摂取された薬の運搬や、電気や光で脳を刺激することで病気の治療に活躍したりと幅広い範囲の応用が見込まれます。

一般的に、体内に埋め込まれるペースメーカーなどはリチウム電池を使用し、その寿命は約6~8年。当然ながら電池が切れるたびに手術する必要があります。そういった状況がこの技術によって一変する可能性があるのです。

また、このワイヤレスシステムは外部からの電波を体内デバイスが受信することで電力供給を行っています。しかし、単純に電波を送るだけでは体内を通過する際に弱まってしまい、十分な充電を行えません。

Credit:MIT

そこで、研究チームは “In Vivo Networking (生体内ネットワーキング) ” と呼ばれるシステムを開発。このシステムは「アレイアンテナ」という、電波を放射する放射素子を複数並べたもので、電波を特定の場所で重ね合わせて強くすることができる指向性を簡単に制御できるものを基礎としています。これにより、体内デバイスにも十分な電力供給を行えるようになったのです。

また、新しいシステムでは、体内デバイスの正確な位置を把握することなく、複数のデバイスを同時に電力供給することが可能。研究チームは豚を用いた実験で、豚の体内10センチほどの深さにセンサーを埋め込み、1メートル離れた場所から電力供給を行えることに成功しました。センサーが皮膚表面にあれば、最大38メートルの距離から電力供給を行うことが可能です。

Credit:MIT

研究チームは現在、さらに効率的な電力供給や、遠距離での通信が行えるように研究を進めています。彼らは、この技術は簡単に在庫管理を行う “RFID技術” や、長距離の範囲にあるものを追跡・通信することができる環境把握システムにも応用することができると述べています。

 

via: MIT / translated & text by ヨッシー

 

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