第9惑星は存在しない?「奇妙な軌道」は多数の小型天体が原因か

space 2018/06/07
Credit: Visualhunt.com
Point
・奇妙な軌道を取る太陽系外縁天体を説明するのに第9惑星の存在が予言されている
・小天体に質量を与えたシミュレーションでも奇妙な軌道を説明できることがわかる
・第9惑星の存在が完全に否定されたわけではない

 

太陽系外縁天体(TNO)で見つかった奇妙な軌道。以前より、これを説明するために新たな「9番目の惑星」が必要だといわれてきました。

しかし4日、デンバーで行なわれたアメリカ天文学会で、これに異を唱える研究が発表されました。TNOの不思議な軌道は巨大な惑星ではなく、小さな天体の集団が作り出す重力が原因かもしれないというのです。

研究は、コロラド大学ボルダー校のアン・マリー・マディガンらによって行われました。カイパーベルト領域で漂っている太陽系外縁天体(TNO)の中でも、最大のもので知られている準惑星、冥王星。TNOの中には、軌道が太陽からさらに遠く離れているものがあり、“detached object”と呼ばれています。これらは海王星や他の惑星の重力の影響をほとんど受けません。detached objectの軌道は、地球の10倍の質量を持ち、海王星の軌道よりも20倍離れた軌道を持つ未知の第9惑星によって説明できるとされています。

Photo credit: NASA Goddard Photo and Video on Visualhunt.com / CC BY

今回の研究では、TNOの動きをシミュレーションしました。このシミュレーションの中では、重たい天体はゆっくりと、小さな天体は速く動いています。これらは時計の短針と長針のようなものです。その結果、小さな天体はすぐに集団を作り、その集団の重力は近づいてきた大きなTNOの軌道を変えるのに十分な強さでした。その結果、大きな天体の塊は、極端な軌道へと飛び出したのです。

これまでのシミュレーションでこの現象が見落とされてきたのは、小さな天体の質量が無視されてきたためです。今回質量を与えられた小天体の数は400に過ぎませんが、それでも最も大きな天体を奇妙な軌道に送るには十分でした。

とはいえ、この仮説は万能ではありません。すべてのdetached objectが一方に偏った軌道をとっていることを説明できないからです。第9惑星仮説ではこれをうまく説明でき。また、シミュレーションの通りになるには、見つかっている小天体の数が少なすぎます。

今回の発表で、第9惑星が存在しなくても奇妙な軌道を持つ天体を説明できることが示されましたが、第9惑星が完全に否定されたわけでもありません。新しい惑星へのロマン、まだ持ち続けても問題はないでしょう。

 

太陽系9番目の惑星の存在を示す新たな証拠がみつかる

 

via: Space.com/ translated & text by SENPAI

 

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