やはりアインシュタインは正しかった。太陽系と原子時計を使った「アインシュタイン・エレベーター」の実験が行われる

science_technology 2018/06/09

「実験室」は太陽系、原子時計が使用される…。ぱっと見全く意味がわからない実験かもしれませんが、結果はアインシュタインの勝利のようです。

 

アインシュタインエレベーターって?

科学者たちは最新の原子時計と太陽系を使って、一般相対性理論の中心的な要素の一つである「アインシュタインエレベーター」仮説を検証しました。一般相対性理論は、質量と重力、空間、時間の基礎を扱っており、それが正しいと証明することは、物理学の基礎にとって不可欠です。

アインシュタインエレベーターは、アインシュタインが等価原理をきっかけにして思いついたといわれています。もし「密封された窓のないエレベーター」の中で無重力に浮かんでいる人がいるとすると、このエレベーターが宇宙空間にあるのか、それとも地球上で加速しながら地面に向かっているのか、言い当てることが出来ないのではないか、という仮説です。

Credit: James Overduin

現実にはどちらの状況も発生しがたいものですが、原理的には、エレベーターがどこにあろうが、どれだけ速く動いていようが、エレベーター内では同じ物理法則が適用されます。一方の状況では重力が働いており、もう一方では働いていません。しかし、いずれにしても結果は同じになるということに、アインシュタインは気付いたのです。

つまり、この仮説上の自由落下するエレベーター内にあるすべてのもの、例えばあなた、あなたが手を離したコーヒー、あなたの隣の居合わせた人は、全く同じ速度で加速するのです。

 

原子時計と太陽系を使って検証

アメリカ国立標準技術研究所(NIST)の物理学者たちはこの状況をテストするために、地球を「浮遊する人」、太陽系を「エレベーターシャフト」として考え、検証を行いました。もしアインシュタインが正しく、これらの時計が宇宙を同じ加速度で落ちているとすれば、その値はゼロになります。

私たちが時間を測る上で最も先進的な測定器である原子時計 。今回加速度を測るために使用されたのは、4つの水素メーザー原子時計と8つのセシウム原子時計です。これらの時計の刻みを14年間に渡って比較したところ、その不一致は+0.00000022あるいは-0.00000025であることがわかりました。この数字は信じられないほどゼロに近く、過去の検証と比べても今のところ最善の発見となります。

つまり、太陽、木星、そしてその他の天体からの様々な重力にもかかわらず、原子時計は一定に正確に時を刻み続けたのです。

これまでもこの仮説が正しいとする実験は行われてきましたが、今回特筆すべき点は原子時計が使われているということです。論文著者のBijunath Patla氏は、「この実験を行った主な理由は、従来の時計の限界に気づき、原子時計を使って基礎的な物理学の実験を成功できると示したかったということです。今後、原子時計と物理学の実験はますます結びついていくでしょう」と述べています。

 

量子力学と一般相対性理論の矛盾は未だ解明されていませんが、もしかしたらこの原子時計が一役買う可能性もあるかもしれませんね。

 

太陽系外の銀河でもアインシュタインの「一般相対性理論」が成立すると確認

 

via: Science Alert/ translated & text by SENPAI

 

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