パスワードを「脳波」で解除する新技術が開発中。簡単かつリセットも可能

science_technology 2018/06/09
Point
・「特定の画像」をみた「脳波の変化」でパスワードを解く技術が開発中
・脳の「3領域」の脳波を測定。テストでは95%以上の有効性を確保
・最大の欠点は「ヘッドセットが必要」であること

 

指紋認証、虹彩認証、顔認証と、様々な進化を遂げてきた「パスワード」ですが、ついに「脳波」によるパスワード解除技術も開発が進んでいるようです。これがあれば指紋よりも精確に本人確認ができそうです。

Your reaction to pics of Leonardo DiCaprio, animals could unlock your next smartphone
http://www.buffalo.edu/news/releases/2018/06/004.html

この技術は、スマートフォンなどのユーザーが「特定の画像やフレーズ」をみたときの「脳波」を測定することによりパスワードが解除されるといったもの。具体的には宣言的記憶に関連する「頭頂間溝」、顔認識を処理する「下頭頂小葉」、読解力に関連する「側頭頭頂接合部」といった脳の3つの領域の脳波が測定されます。

また、それぞれの領域を刺激するのに適した画像があります。「頭頂間溝」を刺激するには「動物の写真」が用いられます。動物への記憶に関してはオリジナリティが高い場合が多いからです。「下頭頂小葉」への刺激はレオナルド・ディカプリオなどの「有名人の写真」が使われ、「側頭頭頂接合部」への刺激は「励ましの言葉」などが用いられます。

Credit: mikebloomberg/Flickr

研究者たちは、この技術をテストするために平均年齢30歳の成人男女179名(男性93名、女性86名)を集め、3回のセッションでその正確性を測定。時間が経った後の有効性も確認するために、最初のテストから5ヶ月後に最後のテストを実施しました。

その結果、この「脳波パスワード」には95%以上の有効性が確認されました。最初のテストと最後のテストを比べても、低下がみられたのは1%だけとのこと。

Credit: Harpal Singh on Unsplash

指紋や虹彩など、身体的特徴を活かしたパスワード・システムは、たしかに簡単にパスワードを解くことができる非常に便利なものです。しかし、その危険性は、一度ハッキングされてしまうと「リセットができない」点にあります。指紋や瞳を簡単に入れ替えることはできません。

一方「脳波パスワード」は、それらと同じく身体的特徴を用いた「覚えておかなくてもいい」パスワードであり、かつ、画像を変更することで簡単に「リセットする」ことも可能です。そういった意味では、これが実用化すれば非常に画期的なサービスとなるでしょう。

しかし、この「脳波パスワード」には別の大きな欠点があります。それは、パスワードを解く際に脳波を計測するためのヘッドセットを装着しなければいけないこと。これに関し開発者のひとりウェンヤォ・スー氏は、「将来的にグーグルグラスなどのデバイスが一般的になれば、そのような状況も変わってくるでしょう」と、明るい展望を示しています。

 

via: futurity / translated & text by なかしー

 

関連記事

体内デバイスに「充電」できるワイヤレスシステムの開発に成功

電池の革命!? 安価でエコな「プロトン電池」が登場

眼からレーザーを放出できるコンタクトレンズを開発

SHARE

TAG

science_technologyの関連記事

RELATED ARTICLE