ロシアで2種の新種化石を発見。古生代の生態系の大きな手がかりとなる

・ロシアで新たに2種類の古生代動物の化石が発見された
・ペルム紀に生存していた動物と見られ、当時の生態系の変化を示唆している
巨大で鋭い歯を持った新種の古代動物の化石がロシアで発見されました。この化石は、ロシアのビヤトカ川付近で多数発掘されたペルム紀の化石の中にありました。
発見された種は、どちらもロシアの民話に登場する伝説的な生物をヒントにその名前がつけられました。「狼サイズの動物」は3つ首のドラゴンで有名な “Zmey Gorynych” から “Gorynychus masyutinae” と名付けられ、「鋭い歯と長い鼻先を持った動物」は悪意に満ちた霊(malevolent nocturnal spirit)といった意味をもつ “Nochnitsa” と名付けられています。
新種の動物は、恐竜が登場する三畳紀より以前のペルム紀の時代に生息。ペルム紀で繁栄した種目にはテロケファルス亜目やゴルゴノプス亜目と呼ばれるグループがあります。今回発見された “Gorynychus” はテロケファルス亜目に属し、“Nochnitsa” はゴルゴノプス亜目に分けられます。これらの種は最終的には哺乳類へと続きますが、大半の動物たちはペルム紀に起こった大絶滅に巻き込まれています。

今回の発見により、ペルム紀中期に起こった絶滅の後に生態系がどのように変化したかについての理解を深めることができます。中期の絶滅は後期の大絶滅よりも重要視されていませんが、中期の絶滅は単弓類の発展を決定づける役割を果たしています。
ペルム紀「後期」の生態系では、「虎サイズの大きな体」を持つ肉食のゴルゴノプス亜目と、「小さなモグラ」のようなテロケファルス亜目がいました。今回の発見により「中期」の生態系では、それらの種目が「後期」とは対照的な位置づけにあったことがわかります。少なくとも今回発見された場所では、「後期」で「小さなモグラ」のようだったテロケファルス亜目のGorynychusは「中期」において肉食動物のトップにあり、「後期」で「虎サイズ」だったゴルゴノプス亜目のNochnitsaは「中期」において小さな動物として確認されました。
古生物学者のクリスティアン・カーマー氏は、「中期の絶滅と後期の絶滅の間に、肉食動物の生態系は180度変化しています。これはまるで、クマが突然イタチの大きさになり、イタチはクマの大きさになってしまったかのようです」と述べています。
via: Phys / translated & text by ヨッシー
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