魂が宿る!?ロボットに虫の神経回路を移植して動かすことに成功

science_technology 2017/12/22
Credit: youtube

よくわからないけど動いちゃったものといえば、EMドライブなどがありますが、今回は「線虫の魂」を持ったロボットのお話です。

Scientists Put a Worm Brain in a Lego Robot Body – And It Worked
https://www.sciencealert.com/scientists-put-worm-brain-in-lego-robot-openworm-connectome

「オープンワーム(Open Worm)プロジェクト」の研究者グループは、線虫の一種である「カエノラブディティス・エレガンス(Caenorhabditis elegans)」のマッピングされた神経回路をデジタル化して移植することを試みました。その結果、人が人為的にプログラムした命令なしで、ロボットを自律的に動かすことに成功したと、海外サイト「Science alert」が報じています。

Open worm projectとは、デジタルな人工生命体を作るオープンソフトウェアのプロジェクトで、今回の実験はその一貫として、2014年に行われたものです。このプロジェクトの最終目標は、線虫C. elegansを仮想生物として完全に複製することであり、神経回路をシミュレートできた今回のスタートは、とても大きな成功を収めているといえます。

それでは早速、線虫ロボットの動きをみてみましょう。


CElegans Neurorobotics - youtube

 

感覚入力がロボットからの感覚情報を受け取ります。ロボット上のどの感覚が活性化されているかによって、感覚神経が刺激されます。

動作出力は、コネクトーム(神経回路の地図)からの動作神経の出力です。

この行列の各セルは、ロボットのモーターを駆動する骨格筋をあらわしています。

鼻の触覚センサーとして使われているソナーが活性化すると、ロボットは止まり、バックします。そしてこれを何度も繰り返します。

動画をみるとわかりますが、本当に線虫のようにくねくね動きます。まっすぐ進めばいいものを、くねくね動きます。

この一連の動きは、障害物が現れた時に、プログラムが止まって戻れと命令してるのではありません。命令しているのはコネクトーム(神経回路の地図)なのです。

全コネクトームは302個の神経です。UDPを使って重要度が付与された値を通信し、シナプスの先にある神経と情報伝達する別個のアプリケーションによって各神経は代用されます。

コネクトームが活性化されています。

通常、神経は色々な情報を総合的に重み付けをして活性化していますが、ここではその重みをコンピューター内でシミュレーションしています。神経が重みのある入力を受けると緑になります。濃い緑は、重みが10以上に蓄積された信号を受け取ったことを意味します。

この線虫ロボットは、個別のアプリケーションとして神経をシミュレートし、それを線虫の神経マップと同じようにつなぐことで、コネクトームをコンピューター内に再現しています。このシュミレートされたコネクトームをレゴロボットに植え付けたのがこの実験です。感覚神経として働くアプリケーションにロボットのセンサーからの入力がインプットされると、その刺激はコネクトーム内を巡り、重み付けされ、他の情報と統合されて、その結果、動作神経が活性化しアウトプットとして出力されます。このアウトプットはロボットのモーターに伝えられ、ロボットを動かします。つまり、ロボットのセンサー入力は、シミュレートされた線虫の神経回路で実物のように処理され、モーター出力命令に変換されロボットを動かしたことになります。この挙動にはプログラミングも学習も必要ありません。ただ、神経回路網の地図がありさえすればいいのです。

 

via: Science alert, CNN / translated & text by nazology staff

 

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