オーパーツ? 新石器時代の精巧すぎる「ストーンボール」を3Dモデルで体験!

spot 2018/06/19
Credit: National Museums Scotland / 公開されているストーンボール。中央のボールはタワーボール

長く考古学者を悩ませている、謎の球体の石器「ストーンボール」。野球ボールほどの大きさで、ヨーロッパの後期石器時代に人の手によって作られたと考えられています。

不思議なことにストーンボールには、その時代に作られたと思えないほど綿密で複雑な模様が彫られているのです。

球体の石器はこれまで500以上も発見されています。発見された場所は、主にヨーロッパのスコットランド北東部で、他にもイングランドやアイルランド、ノルウェー、オークランド諸島でも見つかっています。

考古学者は未だに、新石器時代にストーンボールが作成された意図が分かっていません。しかし、考古学者は石球の3Dモデルを作成し、一般公開しました。そのモデルは非常に細かく、消えた模様も加えられて再現されています。

Carved Stone Balls and Sculpted Stones by Dr Hugo Anderson-Whymark on Sketchfab

 

3Dモデルの作成者であるスコットランド国立博物館の学芸員アンダーソン・ホワイマーク氏は、球体の石器について「これまで多くの機能が仮説として唱えられています」と述べています。

これまで考えられているストーンボールの用途は、武器や新石器時代のトレーダーのための標準的な重し、巨大な記念碑や岩を運ぶためのローラーなどの説があります。

また、球体表面にある凸部分は糸などで傷つけられたもので、射撃のパチンコやカウボーイのボーラのように投じられていたという説や、ボールが宗教への献身や社会身分を象徴するものだという説もあります。

Credit: National Museums Scotland / タワーボール

アンダーソン・ホワイマーク氏は、「もっともらしい説はいくつもあるので、どれも半信半疑で聞かなければいけませんが、多くの人々が今もストーンボールにたくさんの想像力を働かせています」と、その魅力を述べました。

新石器時代の謎

3Dモデルにされた球体の石器は全部で60種類あり、全てオンライン上で公開されています。どんな角度からでもその細やかな模様や奇妙な形を観察しながら、古代の謎へ思いを馳せることができます。

もしかしたら誰も見つけたことのない、新しい発見をしてしまうかも…?

初期の考古学者は、石に描かれた模様が特別な石の道具のみで作られたとは考えられませんでした。そして、鉄器が主要な道具として使われていた3世紀から10世紀の間に作成されたと推測していました。

しかしその後の研究で、球体の石器が約5000年前の新石器時代に作られたことが分かりました。これは、ストーンボールの模様が石の道具のみで描かれていることを意味します。

球体の模様は、新石器時代に作られた墓地の通り道に沿うように並べられた岩の表面にも同じような模様があります。この類似性から、新石器時代にヨーロッパの異なる地域で岩に描く模様のアイデアを共有していた可能性があります。

古代オブジェを3Dで

オンライン3Dモデルは、異なる2地点から被写体を撮影して物体表面の質感や色、大きさや形を撮影する写真測量法という技術を利用しています。この技術のおかげで、ボール表面に見られなかった新たなパターンや抜け落ちた模様を新たに発見することができました。

ホワイマーク氏は、ストーンボールを解明する鍵は、その大きさにあると考えています。球体は手にちょうど収まるほどの大きさです。それは彫刻作業で扱ったといわれる非常に頑丈な岩を用いるには、小さいと感じるほど。

また、球体の作成作業は非常に長いプロセスを有するものと考えらています。いくつかのストーンボールには作成途中でデザインが進化している様子が見られます。もしかすると世代をまたいで作成したのかもしれません。

新石器時代の人々が何のためにストーンボールを作ろうとしたのかは憶測が飛び交い、まだ議論の余地があります。将来的により詳しいことが分かるかもしれませんが、謎の多くは迷宮入りになるかもしれません。

 

「ナスカの地上絵」がドローンで新発見される!? 謎のジブリ的ゆるキャラも…【追記あり】

氷河時代の写実的アートは「自閉症」の祖先によって発展した

 

via: LiveScience / translated & text by ヨッシー

 

関連記事

人類最古のDNAを調査、考古学の謎が一つ解ける

世界一大きな水中洞窟が発見、マヤ文明への手がかりか

SHARE

TAG

spotの関連記事

RELATED ARTICLE