非常に珍しい「中間質量ブラックホール」を発見

space 2018/06/25
ブラックホールが存在する銀河

Point
・ブラックホールには大質量の星が死んだときにできる「恒星サイズのもの」と、銀河の中央にある「超大質量のもの」があるが、その中間は非常に珍しい
・X線宇宙望遠鏡の観測データを使って、中間サイズのブラックホールが放出したと考えられるフレアを特定
・発見されたのは銀河の外縁部の星団の中心

欧州宇宙機関の衛星XMM-NewtonのX線観測から、とてもレアで観察が難しい宇宙現象について、かつてない最良の証拠を発見しました。それはまさに、近づいた星を引き裂いてむさぼっている最中の「中間質量ブラックホール」です。

A luminous X-ray outburst from an intermediate-mass black hole in an off-centre star cluster
http://dx.doi.org/10.1038/s41550-018-0493-1

宇宙には多くの種類のブラックホールがあります。高質量の星が死ぬときに生まれるのは、恒星サイズのブラックホールです。その質量は、多くても太陽の100倍ほど。そして銀河の中央には超大質量のブラックホールがあり、その質量は太陽の何十万から何十億倍。それならば、その中間には多くの中間サイズのブラックホールがあるはずです。

それらは最終的に、超高質量ブラックホールの「もと」になると考えられていますが、非常に捉えにくく、候補さえあまり見つかっていません。そのため、中間サイズの「ミッシング・リンク」ブラックホールは存在しないのではないかと考える科学者もいたほどです。

Credit:ESA. Illustration by Ducros / XMM-Newton

しかし今回、研究チームはESAのXMN-NewtonX線観測衛星と、NASAのチャンドラX線観測衛星、そしてスウィフトX線宇宙望遠鏡のデータを使って、そのレアな活動のサインを見つけました。彼らが発見したのは、遠くの銀河の外縁における強い放射のフレア。それはJ2150-0551と名付けられ、ブラックホールに近づきすぎた星が飲み込まれたことで放たれたと考えられます。ブラックホールの質量によって光子の分布が変わるため、この天体が中間サイズのブラックホールであることがわかったのです。

中間サイズのブラックホールが形成されるシナリオの一つは、濃い星団内で次々に大質量恒星が融合するというもので、それらを捉える場所として、こういった星団の中心が考えられます。しかし、ブラックホールが形成された場所では、ガスが食らいつくされるため、放射するのに必要な物質がほとんどありません。そのため、場所を特定するのが極めて難しくなるのです。発見するには、不幸な星がこのブラックホールの重力圏に紛れ込むのを待つしかありません。

今回発見されたブラックホールは、このシナリオ通り、星団の中心で見つかりました。研究者によると、これまではこういったイベントがはっきり確認されるのは銀河の中心でだけで、外縁部ではなかったとのこと。

この発見で、もっと多くの中間サイズのブラックホールが銀河の外縁を漂っている可能性が示されました。それらはただ、休眠しているので見つけることが出来ないのでしょう。また、それらを発見するためには、どうやら星団の中心を探すのが良いようです。

 

暗黒物質の正体は原始のブラックホールだった?シミュレーション実験が行われる

 

via: Phys Org/ translated & text by SENPAI

 

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