私たちの銀河には人類以外に知的生命体がいない可能性が高いとする研究

space 2018/06/26

Point
・銀河の文明の数を求めるドレークの方程式を改良し、現在の知見から得られる多数の解の分布を調べる
・分布は、人類が銀河系内で唯一の文明であるとするものが30%と多数派となった
・全宇宙に知的生命体がいないという結果ではないし、他の文明がみつかるシナリオも否定はされていない。

宇宙人を夢見る皆さんには、ちょっと悲報かもしれませんが、まだ希望はあります。

地球外知的生命体の探索(SETI)にとって、フェルミのパラドックスは厄介なものです。このパラドックスでは、宇宙には知的生命体が多くいる可能性が高いことと、地球外知的生命体の現実的な証拠がまったくないことの間にある、明確なギャップが指摘されています。

宇宙の生命や高度な文明を見つける確率の数式

フェルミが最初にこのパラドックスを含む「一体彼らはどこにいるんだろう?」という疑問を投げかけてから何十年もの間、科学者たちはこのギャップを説明しようと様々な方法を試みてきました。しかし、今回オックスフォード大学FHIの3人の学者によってこのパラドックスが再評価され、観測可能な宇宙の中で人類が唯一の知的生命体である可能性が高いことが示されたのです。

Dissolving the Fermi Paradox
https://arxiv.org/abs/1806.02404

 

研究のために見直されたのは、1960年台に天文学者フランク・ドレーク博士が提唱した有名な方程式である、ドレークの方程式です。この方程式は私たちの銀河に存在する文明の数を求めるものです。各項は、銀河で星が生み出されるスピード、恒星が惑星を持つ確率、生命が生存可能な環境にある惑星の数、実際に生命が発生する確率、中でも知的生命体まで進化する確率、文明の中で通信手段を開発できたものの割合、そして、その文明が存続する期間を表します。最新の研究では、この方程式に「生命の起源に至る過程」への化学的、遺伝的な移行を加えました。

しかし、ドレークの方程式の各項目の数値は、不確かな推測値を当てはめることしかできません。生命が発生する割合も、それが知性を持つまでに進化できる割合も、私たちには分かっていないのです。そのため、方程式によって導かれる数値は、計算した人の意図を反映したものとなります。

そこで研究者らは、各項目の推定値を現在の知見をもとにして得られる、最大値と最小値をもつ範囲として見ることにしました。そういった不確かな数値の組み合わせにより、チームは結果を分布として獲得できます。ただ多くの不確かな数値を含むとなると、結果は広範囲に及ぶものとなるのが普通です。

しかし、サンベルグ博士の説明によると、この結果により銀河系には唯一の人類しかいない可能性が高いと推測できるといいます。方程式の解として銀河には100もの文明が有るとする組み合わせも中にはありましたが、銀河には私たちの文明しかないとする結果は、なんと30%を占めたのです。

つまり、現在利用可能な科学的知見をもとにしたドレーク方程式の解の分布は、天の川銀河には現在、私たち人類が唯一の知的生命体である可能性が高いことを示しているのです。とはいえ、全宇宙に知的生命体がいないという結果ではありませんし、方程式の各項の数値は新たな発見によって書き換えられていくでしょう。宇宙に知的生命体を探す試みは無駄ではありません。フェルミのパラドックスを解消する一番簡単な方法は、知的生命体を見つけてしまうことなのです。

 

宇宙人が見つからないのは「宇宙ゴリラ効果」のせいと科学者が主張

 

via: Phys Org/ translated & text by SENPAI

 

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