男性ホルモンの一種“テストステロン”の量は「どこで育ったか」によって決まることがわかる

biology 2018/06/27

Point
・イギリスとバングラディッシュに住むバングラディッシュ人男性を対象に子供時代の環境とテストステロン量を調査
・思春期をイギリスで育った男性は、バングラディッシュで過ごした男性よりも大人になってからのテストステロン量が高い
・成人男性のテストステロンレベルは青年期をどこで過ごしたかで決まる

25日に“Nature Ecology and Evolution”で発表されたダラム大学の研究によると、男性ホルモンであるテストステロンの男性における放出量は、子供時代に過ごした環境でほぼ決まるようです。

多くの感染菌があるなど厳しい環境下で育った男性は、より健康的な環境で子供時代を過ごした男性よりも、その後の人生でテストステロンの放出量が減少する傾向にあることが示されました。

テストテロンは男性ホルモンの一種で、骨や筋肉の強化・維持だけでなく、「冒険心」や「リーダーシップ」などの性格的な面でも影響しているといわれています。

Childhood ecology influences salivary testosterone, pubertal age and stature of Bangladeshi UK migrant men
https://www.nature.com/articles/s41559-018-0567-6

この研究は、テストステロンの放出量は遺伝的あるいは民族によって調節されているとする従来の説に、一石を投じた形になります。高いテストステロン量は前立腺肥大や癌のリスクを高める可能性があり、危険度検査に男性の子供時代の環境を考慮に入れる必要があるかもしれません。

研究では、359人の男性を対象に、思春期の体重、身長、年齢とその他の健康情報とともに、テストステロン量調べるための唾液サンプルを採取。そして、データを以下のグループに分けて比較しました。

1. バングラディッシュで生まれ育って現在も生活している男性2. 子供のときにロンドンに引っ越したバングラディッシュ人

3. 大人になってからロンドンに越してきたバングラディッシュ人

4. バングラディッシュ人を親に持つ第2世代のロンドン生まれの男性

5. ロンドン生まれの民族的なヨーロッパ人

研究の結果、バングラディッシュ人でイギリスで育ち大人として生活している男性は、バングラディッシュで育ち大人として生活している裕福な男性に比べて、テストステロンの量が有意に高いことがわかりました。

また、若いうちにイギリスに来て思春期に達したバングラディッシュ人は、バングラディッシュで子供時代を過ごした男性よりも背が高くなっていました。

Credit: Visual Hunt

病原菌への暴露や、栄養の不足などの危険のある環境で育つと、成長期の男性はテストステロンのためにエネルギーを振り分ける代わりに、生き延びるためにエネルギーを使います。そのために、環境の悪いバングラディッシュで育つと、テストステロンによる成長が阻害され背が伸びなかったようです。

ダラム大学人類学部で研究の筆頭著者であるケッソン・マギドは結果を説明します。「男性のテストステロンの絶対量は、民族性や大人になってどこに住んだかとは関連性がなく、代わりに子供時代を過ごした環境を反映していました」

男性の生殖機能は、19歳を上限として思春期の間までは変化できる状態にあり、若ければ若いだけ柔軟性があることが研究で示されました。そして、成人するとテストステロンの量はもはや環境に影響を受けることはなくなるのです。

 

カップル間の「お誘い」のサイン、男性はやはり見落としがちだった

 

via: Phys Org/ translated & text by SENPAI

 

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