太陽系外惑星「ケプラー186f」に新たな地球との共通点が発見される

space 2018/06/30
ケプラー186fのイメージ
Point
・ハビタブルゾーンにある地球に似た系外惑星の地軸の傾きをシミュレーションで調査
・ケプラー186fとケプラー62fの地軸が安定していることが分かる
・安定した地軸で季節や気候が安定するので、生命の生息には好条件

ケプラー186fは、2014年、太陽系外の恒星を回っているハビタブルゾーン内にある地球サイズの系外惑星として見つかりました。発見時から「地球のいとこ」と呼ばれ、大きさなどが非常に近いことで話題になっていました。

今回、ジョージア工科大学による新たな研究で、ケプラー186fがさらに地球に似ていることを示す新たな証拠が提示されました。

Obliquity Variations of Habitable Zone Planets Kepler 62-f and Kepler 186-f
http://iopscience.iop.org/article/10.3847/1538-3881/aabfd1/meta

ジョージア工科大学の研究では、系外惑星の自転軸のダイナミクスを分析し特定するためにシミュレーションを用いました。これらのダイナミクスによって惑星がどれだけその軸から傾いているかや、その角度が時間と共に変化するかがわかります。軸の傾きは、太陽光の惑星表面への当たり方を変えることで、季節や気候に影響します。

研究者によると、ケプラー186fの軸はとても安定しており、地球における地軸のようです。おそらくは、規則的な季節と安定した気候を持っているでしょう。

また研究チームは、1200光年先の地球より大きなケプラー62fについても同じことが当てはまると考えています。

ケプラー62fのイメージ

軸の傾きは気候にとってどれほど重要なのでしょうか? 軸の大きな変動は、なぜ火星が「数十億年前の水をたたえた景観」から、今の不毛な砂漠に変化したのかを理解する鍵であります。

「火星は太陽系のハビタブルゾーンにあります。しかし、地軸が非常に不安定で、0度から60度まで変化します。この不安定さがおそらくは、火星の大気を崩壊させ、表面の水を蒸発させたのでしょう」と研究を率いた准教授のゴンジー・リーは語ります。

比較すると、地球の地軸変動は穏やかで、22.1度から24.5度の間です。10000年周期でこの範囲内で動きます。

恒星を回る惑星軌道の角度の方向は、同星系内の他の惑星からの重力作用で変動することがあります。もし軌道が惑星地軸の歳差運動と同じ速度で変動するなら、地軸もまた行きつ戻りつ変動し、時には劇的に変化します。

火星と地球はお互いに強く相互作用し、同様に水星と金星も相互作用しています。その結果、地軸は軌道変動と同率で歳差運動することになり、地軸に大きな変動を引き起こすかもしれません。幸運にも地球は月によって変動をおさえられています。月は惑星の地軸の歳差率を増やし、軌道変動率と異なるものとします。

一方火星は、地軸の傾きを安定させるのに十分な大きなの月を持っていません。「2つの系外惑星は火星とも地球とも非常に異なっていることがわかりました。というのも、他の兄弟惑星と弱い繋がりしか持っていないからです。これらの惑星が月を持っているのかはわかりませんが、私たちの計算では月を持たなくてもケプラー186fと62fの地軸は何千万年もの間安定するだろうことがわかりました」

ケプラー186fは地球に比べて半径で10%足らず大きいことは分かってますが、その質量、組成や密度は未だに謎です。主星の周りを130日周期で回っています。NASAによると、186fにおける正午の太陽の明るさは地球では日暮れ時の明るさ程度です。ケプラー186fは、はくちょう座に位置する5つの惑星を持つ星系の一部です。

ケプラー62fは2014年に186fが発見されるまでは最も地球に似た系外惑星でした。地球より約40%大きく、岩石製の地面あるいは海に覆われているものと思われます。こと座に位置する5つの惑星を持つ星系の最も外側の惑星です。

いずれの惑星も水が存在すると断言はできませんし、生命となるとなおさらです。しかし、いずれも比較的良い候補だということは確かでしょう。

 

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via: Phys Org/ translated & text by SENPAI

 

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