20匹の「双子」マウスが宇宙へ。 「片割れ」の遺伝的変化を検証

space 2018/07/02

Point
・それぞれ遺伝的に同一の「兄弟」を地上に残したマウス20匹が宇宙に飛び立った
・「宇宙」と「地球」の双子を比較することにより、宇宙生活が生物に与える影響について大きなヒントが得られる
・以前NASAでは「人間」の双子で同様の研究を行なっていた

先日、宇宙船「ドラゴン(Dragon)」が「20匹のマウス」を乗せ、フロリダから飛び立ちました。

これは、宇宙空間での生活が、どのように生物の「内臓」や「睡眠スケジュール」に影響を与えるかについて調査するためのものです。NASAによるこの調査は、ノースウェスタン大学の神経生物学者の主導によって行われています。

研究プランでは、10匹のマウスに「3ヶ月間」宇宙空間で生活させ、残りの10匹のマウスには「30日間」宇宙空間にとどまらせる予定です。マウスを使うことにより、人間よりも早く何らかの反応が得られることが期待されます。

また、遺伝的に同一のマウスの「兄弟」を地球に置いておくことで、宇宙空間と地球での生理的な変化が比較できるようにしています。特に「マイクロバイオーム」、すなわち体内における「微生物の生態系」に、宇宙での生活がどのような影響を与えているのかが注目されます。

2週間に1度、国際宇宙ステーション(ISS)と地上のスタッフが全てのマウスから便のサンプルを回収し、比較します。また、マウスの「睡眠サイクル」や「骨密度」などについても地上から確認できるようになっています。

このように、遺伝的に同一の双子を「宇宙」と「地球」に住まわせることで、効果的な研究が可能となりますが、実はこういった「双子」を使ったNASAによる研究はこれが初めてではありません。マウスよりも先に「人間」による研究が実施されていました。

宇宙飛行士スコット・ケリーが1年もの間「宇宙空間」で生活していたとき、研究者たちは「地上」にいるスコットの双子の兄弟、マークとの比較を行なっていたのです。この研究については以前このサイトでも紹介しています。

宇宙滞在で遺伝子が変化!?双子のDNAと別物になってしまった宇宙飛行士

結果としては、スコットの遺伝子は地球に帰ると7%も変化しており、かつて一致していた2人の遺伝子が一致しなくなっていたという、驚くべきものでした。

しかし、その謎についてはまだ解き明かされていないことが多く、このマウスによる研究が大きな助けになることが期待されます。

研究者たちによると、この実験によって、未来の宇宙飛行士の健康を守るための大きなヒントが得られるとのこと。また、その成果は宇宙にとどまらず、地上の人々の「免疫システム」や「健全な代謝」を助けるための有益な情報が得られることが期待されています。

 

via: sciencealert / translated & text by なかしー

 

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