太陽系外惑星が「誕生」する様子、初めて撮影に成功

space 2018/07/03

Point
・恒星PDS 70をコロナグラフを備えた特別な装置SPHEREを使って、恒星の周囲を撮影
・恒星周囲の原始惑星円盤の中に、形成中の若い惑星PDS 70bを確認
・若い惑星が円盤中で形成されている様の直接画像が得られたのは初めて

若い恒星周囲にある、あるガス円盤の中。そこで形成中の巨大な系外惑星が新たに発見され、さらにその生まれたてほやほやの写真が初めて撮影されました。

この写真によって、若い系外惑星の直接的な観察が初めて実証されたことになります。

Discovery of a planetary-mass companion within the gap of the
transition disk around PDS 70
http://www.eso.org/public/archives/releases/sciencepapers/eso1821/eso1821a.pdf
Orbital and atmospheric characterization of the planet within the
gap of the PDS 70 transition disk
http://www.eso.org/public/archives/releases/sciencepapers/eso1821/eso1821b.pdf

「若い恒星の周りにできる円盤は、惑星が生まれる場所です。しかし今までのところ、生まれたての惑星がその中にあることをほのめかす観測は、数えるほどしかありませんでした。今まで問題だったのは、こういった惑星の候補がディスクの中の『目鼻立ち』に過ぎなかったことです」と説明するのは、この発見を率いたマックスプランク研究所のミリアム・ケプラー氏です。

ケプラー氏と共同研究者たちは、PDS 70と呼ばれる、540万歳で地球から370光年離れた若い矮星の観測の新たな観測データと、アーカイバルデータを解析しました。データを集めたのは、チリにあるヨーロッパ南天天文台の超大型望遠鏡VLTに装備された装置と、ハワイのジェミニ天文台にある装置です。

この観測によって、PDS 70の原始惑星円盤に新たに生まれた巨大ガス惑星の存在が明らかになりました。そして研究チームは、このPSD 70bの写真を、SPHEREと呼ばれるVLTに備わった2つの装置の1つ使って撮影することに成功したのです。

Credit: ESO/A. Müller et al / 真ん中の黒丸の右下の光がPDS 70。黒丸はコロナグラフの遮光円盤によるもの

SPHEREの特徴は、太陽コロナを常時観測できるコロナグラフであるということ。眩しい恒星の光を遮ることで、軌道上の薄暗い惑星を解像することが可能になります。なおジェミニの装置、近赤外線コロナグラフイメージャーも同様のものです。

そして解析により、PDS 70bは木星の2倍から3倍大きく、太陽系では天王星の軌道ほどの距離である、恒星から30億km離れた軌道にあることが示されました。PDS 70bは太陽系に存在するどの惑星よりもずっと熱く、1000℃の高温であることが分かっています。

ただ恒星からの距離を考えると、この高い温度はとても奇妙です。しかし、この結果は他の生まれたばかりのガス巨星の特徴と一致しているといいます。非常に若い惑星は、形成時に残された非常に多くの熱を保持しているのです。

ケプラーの結果は、複雑で理解に乏しい初期段階の惑星進化の研究の新たな扉を開きました。研究者は、「惑星形成の裏にある過程を本当に理解するためには、個別の若い恒星の円盤にある惑星を観察する必要がある」と話しています。

 

太陽系外惑星「ケプラー186f」に新たな地球との共通点が発見される

 

via: Space.com / translated & text by SENPAI

 

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